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6月10日(火)

おじさんの哲学
『おじさんの哲学』
永江朗
原書房
1,944円(税込)
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本の雑誌373号
『本の雑誌373号』
本の雑誌社
750円(税込)
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 通勤読書は、永江朗さんの『おじさんの哲学』(原書房)。
 ここで語られるのは宮里潤のようなぽっこりお腹の出た、いわゆる中年の「おじさん」ではなく、<権威的な『父』ではなく、感性は鋭いけれど慌て者の『兄』でもない、『叔父さん』という存在」のことである。おそらくなんとなく常識と関係なく、でも有用なアドバイスをしてくれる人のことだろう。というわけで、内田樹や橋本治、植草甚一、山口瞳といった確かに叔父さん的な存在の人たちが紹介されていき面白い。
 ちなみに私にとっての叔父さん的存在といえば本書では紹介されていないけれど、坪内祐三さんか。

 それはさておき私はこの『おじさんの哲学』を読んで腑に落ちたというか、自分の存在を理解したのだけれど、よくよく私と子供の関係はいわゆる父子と微妙に違うと感じていた。それは自分自身が感じているのとともに妻や近所の人たちからも「なんか変」と指摘されてきたのである。

 いったい何が変なんだろうかとずっと悩んでいたのだが、要するに私は、子供に対して「父」であろうという気持ちが薄いのだった。いや薄いというか、なりたくない。「親」ではあるのはかまわないけれど、「父」にはなりたくない。それは永江さんが書かれているような「『父』ほど権威主義的で抑圧的ではなく、かといって『兄』よりももう少し頼りになる」という叔父的人間でありたいと思っているからだと気づかされた。

 午前中、うんざりするような報告を受ける。
 叔父さん的なアドバイスなんか到底出来ず、カミナリオヤジのようにゲンコツを喰らわしたい衝動をぐっと抑えていると「本の雑誌」2014年7月号が出来上がってくる。カラーページの書斎を眺め、気持ちを落ち着かせる。

 午後、営業に出かけようとすると編集右腕のカネコッチから相談したいことあるんだけれどと電話があり、出社を待つ。
 相談事のふたつとも私の想像を超える素晴らしいもので、カネコッチはもしかしたら私の叔父かもと思ったが、ケンカをすることもあるので叔父というよりは兄に近い。

 そのカネコッチとともに夕方、宮田珠己さんのところへ打ち合わせに行く。宮田さんは叔父ではなく狂人だと気づいた話はまた後日。

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