9月5日(金)
- 『後妻業』
- 黒川 博行
- 文藝春秋
- 1,998円(税込)
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昨夜、横浜から京浜東北線に揺られている間に読み出した『後妻業』黒川博行著(文藝春秋)があまりに面白く、結局、朝までかけて一気に読んでしまった。これまでもリーダビリティー溢れる作品を書いてきた黒川博行だが、今作は極道や警察、美術界でなく、誰もが巻き込まれる可能性のある遺産を巡る物語のため、その身の毛立つ恐ろしさはこれまで以上、果たしてどうなるのだとドキドキする気持ちが抑えられず、宮部みゆきの『火車』を読んでいたときの気分を思いだす。
眠い目をこすりながら博報堂へ直行。本の雑誌社が20個くらい入ることができるエントランスと、厳しく入館がチェックされるこの建物に来るたびに、私は本当はこんな立派なところに来られる人間じゃないんですという卑屈な気分にさせられるが、それが相手の戦略なのだ。ここは堂々と胸を張って、博報堂社員も私も同じ人類なのだとゲートに入館証を差し込むが、いつもどおりなかなか読み込まず、あれ?あれ?なんてあわてていると後ろに立つ博報堂の社員証を首から下げた人に舌打ちされ、ゲートに立つ警備員からも厳しい視線を向けられ、一段と卑屈な気分させられるのであった。
ほとんど発言もできないあの世感たっぷりの打ち合わせたを終えた後、西荻窪の今野書店さんへ。今野さんが理事長をしている「料理レシピ本大賞 in Japan」の発表が迫っており、本屋大賞実行委員として参考になることがあればということで昼食をともにする。
その後初めて噂の「beco cafe」を訪問する。本がいっぱいで楽しい。最近飲食の人に会うと思わず「僕の作ったシフォンケーキ、仕入れていただけませんか?」と営業しているのだが、初対面なのでぐっとこらえる。
夜、とある版元営業マンから会ったほうがいいとアドバイスいただいた書店員さんと酒(私はタピオカ入りウーロン茶ガムシロ抜き)。