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10月12日(水)

 朝、昨日、谷崎潤一郎賞贈呈式でいただいた「中央公論」11月号を読んでいたら東京駅まで乗り過ごしてしまう。

 五木寛之がミック・ジャガーと対談したときの思い出を語っていたり、亀和田武さんがグループサウンズについて対談のゲストに登場していたり、あるいは吉田類さんの連載があったりして、「中央公論」とても雑誌っぽいのに驚いた。

 午前中、夏葉社の島田さん来社。1月号からお願いしている連載の打ち合わせ。午後はそのまま神保町ブックフェスティバルの事前説明会なのだが、今年のブックフェスティバルには夏葉社さんも初出店されるそう。ただいま絶賛製作中の得地直美さんによる神保町のイラスト集が並ぶとか。楽しみ。

 昼、フットサルのチームメイトでもあり、東京美術の営業マン箱守氏がやってきて、「杉江さん、いつ来ても暇そうですね」と失礼なことを言う。私が早朝出社し、昼までにすべての仕事をやり遂げていることを知らないらしい。

 すずらん通りの「上海庭」でランチ。昼間に訪れたのは始めてなのだけれど、夜の営業と同様、素晴らしいコストパフォーマンスに驚く。700円のランチに、セルフサービスでサラダ、副惣菜(この日は饅頭)、フルーツ、コーヒがつくのだ。そのおかげで大盛況。サラリーマンの列が並ぶ。

 午後、今月の新刊『古本屋ツアー・イン・京阪神』の事前注文〆作業。やはり関西からの注文が多い。

 大竹聡さんの新刊『多摩川飲み下り』(ちくま文庫)を読みながら帰宅。

 奥多摩から川崎まで多摩川沿いをぶらぶら歩き(ときに交通機関を使い)気に入った飲み屋に飛び込んで酒を飲むエッセイなのだけれど、上流から下流で変わっていく町並みの変化がおもしろい。

 そして今作では大竹さんはひとり静かに孤独を友に飲んでおり、なんていうか大竹さんのエッセイにこんな言葉が到底似合うとは思えないけれど、とても豊かなエッセイである。あっぱれ。

 帰宅後、7キロラン。ちょっとハイペース。

10月11日(火)

  • 叫びの都市: 寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者
  • 『叫びの都市: 寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者』
    剛, 原口
    洛北出版
    2,640円(税込)
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  • ベア・アタックス―クマはなぜ人を襲うか (2)
  • 『ベア・アタックス―クマはなぜ人を襲うか (2)』
    S.ヘレロ,日本クマネットワーク 解説,嶋田 みどり,大山 卓悠
    北海道大学出版会
    14,869円(税込)
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 丸善御茶ノ水店さんを訪問すると、最後のリニューアル準備中だった。今週いっぱいで、一階の文芸書売り場を含む古い什器を撤去し、新たな棚を入れるという。御茶ノ水駅を利用する私にとって、もっとも頻繁に訪れる本屋さん。いったいどんな売り場になるのか楽しみで仕方ない。

 午後、11月3日に養源寺(東京都文京区千駄木5-38-3)で行われる「しのばずくんの本の縁日」の出店者説明会に参加する。出版社約20社、古書店約15店、そして往来堂書店さんにキッチンカーが境内に並び、本を売るイベント。売る側だけれど、楽しみで仕方ない。

 その説明会を途中で抜け出し、ホテルニューオータニへ。受賞者の絲山秋子さんにお招き授かり、第52回谷崎潤一郎賞贈呈式に参列。選考委員の川上弘美さんの受賞作の『薄情』(新潮社)、同時受賞長嶋有『三の隣は五号室』(中央公論新社)に対し、「妥協せず書かれた小説」という評価に力強く拍手す。

 図々しくも二次会まで参加した後、南北線に乗って帰宅。電車のなかでは丸善御茶ノ水店さんで頂いた丸善ジュンク堂書店発行の「書標 ほんのしるべ」を読む。毎号まさに「ほんのしるべ」として楽しみにしているのだ。

(フ)さんが紹介されている『叫びの都市 寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者』原口剛(洛北出版)と「よむ くま」の記事にある『ベア・アタックス クマはなぜ人を襲うか(2)』S・ヘレロ(北海道大学出版会)に付箋をつける。

10月9日(日)

 福山からは日帰りし、ルヴァンカップ準決勝第2戦対FC東京戦に参戦するため埼玉スタジアムへ。

 前半24分に興梠慎三が見事なパスワークから先制点を奪うと、38分、53分にもゴールを決め、もしかして浦和レッズでは、エジミウソン以来のハットトリックを達成。まったく危なげなく勝利し、決勝に進出。今の浦和レッズは本当に強い。そして観ていて面白い。

 決勝の相手はこれまで幾度も大切な試合で苦汁をなめさせられてきたガンバ大阪。今年の元日にもお祝い気分を吹き飛ばす敗戦を期し、味の素スタジアムから下を向いて帰ったことはまったく忘れていない。黄金時代を築く前に立ちふさがる壁としてこれ以上の相手はいない。

10月8日(土)

 三連休の初日でごった返す東京駅から編集発行人の浜本と新幹線に乗車し、福山へ。『尾道坂道書店事件簿』の著者であり、啓文社の児玉憲宗さんの葬儀に参列する。今は何も言葉にできない。ただただ涙があふれるばかり。

9月29日(木)

  • 根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男
  • 『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』
    高橋 安幸
    集英社
    1,870円(税込)
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  • どうしてこんなところに (双葉文庫)
  • 『どうしてこんなところに (双葉文庫)』
    桜井 鈴茂
    双葉社
    763円(税込)
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 今年に入って何の本を読んでか忘れてしまったのだけれど、球界の寝業師と呼ばれていた根本陸夫のことを知りたくなった。

 本を探してみると『球界地図を変えた男・根本陸夫』(日経ビジネス人文庫)という本が出ていたが、すでに品切れになっていた。会社のすぐ近くにスポーツ専門の古本屋さんがあるので、探してみようと思った。思ったのだけれど、いつの間にかすっかり忘れていた。

 そんなところに、高橋安幸『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社)が出たので、即購入。そして読みだした。しかしこれが想像していたような評伝ではなく、証言集のようなもので、話がやたら繰り返される。うむー。

 前日、東京新聞に掲載された浜本と私のブックフェスティバルでのトークイベントの広告を見かけた椎名さんから「どうしちゃったんだ?」と電話あり。どうしちゃったんでしょうかね、ほんと。このイベントだけでなく、最近はテレビからの取材やら出演依頼が増えている。

 去年頂いた菊池寛賞もそうだけど、世の中に本当の意味で評価されるには40年かかるってことなのか、それとも時代が一周するのが40年という歳月なのかもしれません。

 渋谷のブックファーストさんに『渋谷の農家』を直納。店長のSさんが推薦している文庫『どうしてこんなところに』桜井鈴茂(双葉文庫)を買い求めた後、HMV&BOOKS TOKYOさんを訪問すると大幅に棚が変更されていた。

 去年11月にオープンした際は、本とCDやDVDに雑貨などが融合した棚だったのだけれど、今回のリニューアルでは、本は本、CDはCDとだいぶゾーン分けされている。

 帰宅後ランニング。6キロ。

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