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11月14日(月)

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)
『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)』
門田 隆将
KADOKAWA
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カウントダウン・メルトダウン 上 (文春文庫)
『カウントダウン・メルトダウン 上 (文春文庫)』
船橋 洋一
文藝春秋
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壽屋コピーライター 開高 健
『壽屋コピーライター 開高 健』
坪松博之
たる出版
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東京甘味食堂
『東京甘味食堂』
若菜 晃子
本の雑誌社
1,728円(税込)
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 通勤読書は船橋洋一『カウントダウン・メルトダウン(上)』(文春文庫)。

 なぜに突然読みだしたのかというと、先週大阪出張の折に読んだ門田隆将『死の淵を見た男』(角川文庫)があまりに衝撃的で、衝撃的といのは、ノンフィクションを読んでこんなに泣いたのは初めてというくらい号泣したのであった。あふれ出る涙をこらえるどころか声をあげて新幹線で泣いてしまったほど。

『死の淵を見た男』は、誰かや組織を声高に弾劾する書ではなく、徹底的に東日本大震災から数日の福島第一原発の現場を追ったノンフィクション。

 有史以来最も危機的な状況になった原発の中で、故郷を愛し、仕事に誇りと責任をもった人たちが、決死の覚悟で立ち向かう。この人たちが頑張ってくれたおかげで、今の私の暮らしがあるのであった。

 制御不能な危険なものを作ったのも人なら、それによって生み出された電気を無意識に使っていたのも人であり、また利権にまみれ懐を肥やしているのも人だ。

 でもやっぱり人はすごい。自分のためでなく、人のために生きれる人は強い。人であることに誇りが持てる本だった。そしてこういう人になろうと決意した本でもあった。

 というわけで、これまで思い出しなくないというか、見て見ぬふりをしていた3.11本を読む決意をしたのであった。その一冊目として『死の淵を見た男』の解説で開沼博氏が紹介していた『カウントダウン・メルトダウン』を読む。

 9時前に出社。土、日に自宅でまとめておいた「おすすめ文庫王国」の対談を整理し、入稿。

 そうこうしていると発行人の浜本がハアハアいいながら出社。今日は朝から書店さんの撮影だったはずなのだがと不思議に思ったら、なんとカメラマンが時間を勘違いしていてキャンセルになったとか。ご立腹の様子だが、しょっちゅう待ち合わせの時間に遅刻している自身の行動もこれを機に反省して欲しいところ。

 浜田が出社したので池袋のジュンク堂書店さん、銀座の教文館さんに直納に向かう。どちらもブックカバーやらトートバッグなど。いったい何屋なんだかわからなくなってきた。教文館のYさんがちょうどお昼に出るところだったのでランチをご一緒する。

 いったん会社に戻り、喫茶店古瀬戸へ。1月刊行予定の『Y先生と競馬』の著者校を坪松博行さんより頂戴す。『壽屋コピーライター 開高健』(たる出版)に続く、師を描いた2作目の評伝。Y先生とは山口瞳であり、私が最も敬愛する作家である。力が入らぬわけがない。

 打ち合わせを終えた後、書店さんへ「おすすめ文庫王国」で使う写真を撮りにいく。

 先週金曜日に発売になったハリー・ポッターに、アメリカ大統領に選ばれたトランプ関連本、そして「本の雑誌」も登場した「アメトーーク!」紹介本が売れており、「久しぶりに追い風が吹いてます」と書店員さんが嬉しそうに話す。

 話している間には「アメトーーク!」本の棚には若い子が3人、4人と囲み、本を手にとっているではないか。「本の雑誌」にも追い風が吹きますように。

 写真を撮り終え、会社に戻ると、ちょうど今月の新刊『東京甘味食堂』の見本が届く。見本を眺めつつ、初回注文の〆作業。19時終了。集中力の限界。雨の中、帰宅。

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