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12月24日(土)

  • 佐野元春 & THE COYOTE GRAND ROCKESTRA - 35TH.ANNIVERSARY TOUR FINAL (初回限定デラックス盤)(CD付)[Blu-ray]
  • 『佐野元春 & THE COYOTE GRAND ROCKESTRA - 35TH.ANNIVERSARY TOUR FINAL (初回限定デラックス盤)(CD付)[Blu-ray]』
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 先週までサンタを信じていたのに、一昨日突然「そういう嘘はいいから」と言い出した小学校6年の息子。その割には昨晩も「サンタさん何持って来てくれるかなあ」と天窓から夜空を眺めていたりして、男子の心は揺れ動いているようだ。

 本来であれば25日の朝にプレゼントが届くはずなのだけれど、その日から塾の冬期講習(中学受験するわけではなく正真正銘おバカさん過ぎて妻があわてて入れてしまった)が始まるとかで今朝枕元にプレゼントを置いておく。

 プレゼントは2年越しの願いであるテレビゲーム機「PS4」。娘のプレゼント、浦和レッズのレプリカユニフォームが、私と両親のREXポイント(浦和レッズのポイント制度)の交換でほとんど無料で手に入ったため、どうにか予算を確保できたのだ。ちなみに私自身へのプレゼントは佐野元春&THE COYOTE GRAND ROCKESTRA「35TH.ANNIVERSARY TOUR FINAL」のBlu-rayディスク。妻はお金。

 朝、プレゼントを発見した息子は、やはりサンタクロースを信じることにしたのか雲ひとつない空に向かって感謝の言葉を投げかけているが、ソフトがないことに不満顔。「PS4」もソフトがなければ単なる箱か。先週誕生日でおばあちゃんからもらったお小遣いで買うよう諭す。娘はすぐに浦和レッズのユニフォームに着替えている。

 息子は友だちの家に、娘は部活へ、妻はパート仕事へ出かけたので、ベットに寝転がり年内入稿の坪松博之『Y先生と競馬』のゲラを最終確認。最も愛する作家山口瞳の評伝なので、仕事とはいえ至福の時間。

 昼、妻と息子が帰宅したので、昼飯を用意した後、ケーキ作りに勤しむ。自分でケーキを作るようになってから、特にクリスマス時期のパサついたお店のケーキなどまったく食べる気がおきない。お気に入りの見沼田圃の放し飼い自然卵は手に入らなかったもののシフォンケーキを四角く焼く。

 生クリームを買ってなかったので、「PS4」のソフトをもとめる息子とともに買い出しに出かけるが、近所のツタヤとヤマダ電機に向かうも残念ながらお目当てのソフトは売り切れ。息子の目が赤く染まっているので、「明日には届くから」とその場でネットに注文してやる。

 その足でスーパーイイダに行き、生クリームを物色していると、おばあさんがよろよろと寄ってくる。
「兄弟?」
 と声をかけられるが初めは何を言っているのか理解できず、聞き返してしまう。
「仲の良い兄弟ねえ」
 えっ!? 童顔なのは認めるが、小学校6年、つい一週間前12歳になった息子と45歳の私が兄弟に見えるなんてことがあるのだろうか。ブルブル首を振って否定すると、「えええ? 親子なの! 見えないわよ」とまったく信じてもらえない。
 息子が隣で肩を震わせて笑っている。

 首を傾げつつ、生クリームの他にチキンやワインを購入し、自転車にまたがる。
「まったく父ちゃんだってこれまで45年も苦労して生きてきたんだぜ。いくらなんでも兄弟はないだろう」と後ろを走る息子にぼやくと、息子が笑いながら「背が小さいから仕方ないよ」と生意気なことを言う。

 暗くなり始めた通りの向こうに我が家の灯りがぽっと灯る。

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