1月5日(金)謹賀新年
あけましておめでとうございます。2018年も一生懸命、そして楽しんで仕事をしてまいりますので、「本の雑誌」および小社刊行物、この日記をよろしくお願いします。
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4時過ぎに目覚める。いくらなんでも早すぎるだろうと思ったが、昨夜、熱っぽい息子と20時にはベッドに横になり、気づけばそのまま眠りに落ちていたので、睡眠十分なのだった。
目が覚めてみると、やらなければならない仕事がもくもくと浮かび、もはや二度寝どころでなくなる。始発電車に乗って出社しようかと思ったけれど、家のパソコンでできる仕事もあるわけで、いそいそと起きだし、居間のストーブに火を付け、コーヒーを淹れて、仕事を始める。2018年の仕事始め。
日が昇った頃、家を出て会社に向かう。通勤読書は松崎ナオを聴きながら、年末年始の間、一日一遍ずつ噛みしめるように読んできた『マクソーリーの素敵な酒場』と『港の底』(ともに柏書房)。雑誌「ニューヨーカー」のスタッフライターだったジョゼフ・ミッチェルが1900年代半ばに描いた街と市井の人々のスケッチ風ノンフィクション。私がもっとも愛するタイプの読みもの。だからこそ、じっくり、少しずつ読んでいるのであった。
年末に4時間に渡って総集編が放送された「ドキュメント72時間」同様、すべての人生に物語があり、すべての人に心があるのだ。もちろんそれは自分の人生にも。
ここ数年、いやもっとずっと前から、私は自分の心に蓋をし、あるいは自分の心に耳を傾けずに生きてしまっていたことにこの2冊を本を読んで気付かされる。このまま行くと、きっとどこかで心が悲鳴をあげて、壊れてしまうはずだ。今年からもっと自分の気持ちや心を大切にして過ごしていこうと思う。
7時半に出社。ゴミを出し、机を拭き、郵便物を分け、FAXを整理し、コーヒーを淹れて、仕事を始める。
去年は浦和レッズがアジアチャンピオンになったプライベートはともかく、仕事面においては最低最悪の年だったように思う。それはすべて自分のやる気のなさが原因なのだけれど、どうしてこんなにやる気が出ないんだろうかと毎日悩んでいるうちに一年が終わってしまった感じだった。
しかしそれも去年散々ともに旅した宮田珠己さんに年末、レンタカーのなかで相談したところ、原因がはっきりしたのだ。宮田さんは「人間、40代で一回あがっているんですよ」と教えてくれたのだった。それならばやる気がでないのも納得だ。私はもうあがっていたのだ。ゴールに着いているのに走ろうとしても、行き先もないわけで、どうあがいたところでどこにも進めやしない。
というわけで年末年始の間にいろいろ考えを整理し、新たな目標に向かって今年から突き進むことにした。今のところやる気はでているように思うが、まあ、はじまったばかりなので、私の痛風同様、しばし、要観察である。
年末の間に届いていた原稿を整理し、チラシを3種作り、来週搬入の「本の雑誌」2月号の部決をし、新年の挨拶をしているうちにあっという間に夜になっていた。
事務の浜田が「嗚呼、一日しか働いてないのに、なんだか一週間分疲れた」と伸びをして、残業を続けている。たぶん、それは、年末年始も不眠不休でいつも以上にハードワークをさせられた肝臓の蓄積疲労ではなかろうか。
浜田の肝臓の働き方改革はいつになるのだろうかと思いつつ、夜遅くまで本屋大賞の一次投票をパソコンに打ち込む。