3月11日(月)
雨。久しぶりの登校となる娘と妻を車で駅まで送り、自分はカッパを着て自転車で改めて駅へ向かう。
「本の雑誌」2019年4月号搬入。特集は昭和ミステリー秘宝館。4月以降、中国地方5県、九州7県の本屋さんにはいったいいつ着くのだろうか。雑誌をベースにしてきた流通の崩壊か。
昼、「山のまちライブラリー・奥多摩ブックフィールド」の活動をしているOさんとYさんが来社。「ヒナタヤ」でチキンカレーを食しながら話を伺う。廃校に本を持ち寄り、"開かれた本のある場所"を目指しているそうだが、ここにもまた本の魅力を一人でも多くの人に伝えたいと頑張っている人たちがいる。
午後、駒込のブックス青いカバさんに「本の雑誌」の直納に向かう。特製トートバッグが欲しくなる...というか、お店全体あまりに魅力的な本がそこかしこに並んでおり、もはや納品に来たのか買い物に来たのかわからなくなり、這々の体で脱出を試みる。今、都内で一番恐ろしい場所。
その足で、千駄木の往来堂さんに伺うと、お店の前に村上慧『家をせおって歩く』(福音館書店)の実物の家が置かれており、おののく。確かこれ、「たくさんのふしぎ」で出たときにHMV&BOOKS SHIBUYAのYさんに薦められ購入したことがあったのだけれど、今回はかんぜん版として書籍化されたらしい。改めて購入。
店内で笈入店長と話していると「これ立てて数日で4冊も売れたんですよ、ありがたいですよ」と早川書房がFAXで送付している『クロストーク』のPOPを教えていただく。おおお、北上ラジオのPOPではないか。
不忍通りの古書ほうろうさんは移転のためシャッターが閉じていて、四月中旬池之端で再オープンされるという。楽しみ。
そのまま常磐線の人となり、営業。オークスブックセンター南柏店さんは、高野秀行さんの著作の新たな聖地となり、ほぼすべての本が面陳状態。これが依怙贔屓というわけではなく、実際に売れているという。ならばまたゲリラサイン会を企画せねばなるまい。
直帰して、ランニング7キロ。弓なりの月をしばし眺める。
三浦英之『南三陸日記』(集英社)を読む。もう何回、何十回読み直したかわからない。生きるということに躓きそうになったとき、必ずこの本のページをめくる。
生きているとは生かされているということ。生きているなら、その生を全うし、生きねばなるまい。何十回読んでも涙があふれてくる。人間の儚さ、優しさ、弱さ、強さ、逞しさ、すべてがこの一冊につまっている。