6月9日(火)
7時に出社。電車は変わらずのほどほどな乗車数。ただしマスクは暑く、苦しい。
9時過ぎ、昨日に引き続き、事務の浜田、編集の高野が出社したので本日の出社上限に達する。以降整理券配布。
定期購読者分の「本の雑誌」7月号が、ひとあし早く製本所から届いたので、ハリハリツメツメ作業に勤しむ。
午後、高野秀行さん、小林渡さんと今週末に行なうオンラインイベント「辺境チャンネル」の打ち合わせをZoomでする。第1回というかテスト版なので第0回と銘打っているのだが、デビュー作である『幻獣ムベンベを追え』について振り返りとことん語っていただく予定。
それにしてもこちらのチケットは告知9時間で売り切れてしまい、高野さんの人気ぶりにひれ伏す。次回以降、枠を広げて対応しなければと渡さんと猛省す。
書店さんからフェア結果のメールが届く。こちらのフェアはコロナが広がり出し、緊急事態宣言されるギリギリにスタートし、その告知すら「お店にきてください」と言えなくなっちゃいましたねと書店員さんとともに苦笑いしていたのだけれど、なんとふたをあけてみたら何度か追加注文していただくほどの売行きにビックリ。
いやその売行きには理由があって、多くの書店さんが緊急事態宣言を受け休業していたなか、このお店は独立店舗だったのでその間もずっと営業を続けられ、その結果、県下のお客様がたくさんやってきていたそうなのだ。
フェアの売上は大変うれしいけれど、このコロナで大変な中、売っていただいたことにただただ電話口で感謝することしかできず、苦しい。
そしていつぞや、いやきっとあれは一年ほど前にサンブックス浜田山さんでフェアしていただいたときに編集の高野がこぼした言葉が頭に蘇る。
「うちはいい本たくさん作ってるから並べてもらえれば売れるんですよね!」
あのときのフェアもたいそう売れて、だから彼女にとってはその喜びと誇りから出た言葉だったと思うのだけれど、それは裏返せば日頃並べてもらいきれてない営業の私の責任であるわけで、「並べてもらえれば売れる」という言葉は営業にとってたいそう重い言葉であり、また編集のその誇りを胸に営業しなければならぬと思ったのだけれど、それがこうしてまた同様の結果を見て、改めて決意を胸に燃やすのであった。
5時に整理券を手にした浜本が、今月の新刊『本の雑誌の坪内祐三』の刷り出しを見にやってきたので、社内の重量、もとい定員がオーバーしたため、終業。神保町から上野まで歩いて帰る。
帰宅後、風呂に入り、夕食を食べ、近藤康太郎『アロハで猟師、はじめました』(河出書房新社)を読む。