4月21日(水)
妙蓮寺の本屋・生活綴方さんで購入した吉田亮人『しゃにむに写真家』(亜紀書房)読了。
この世の中に表現者である写真家に、なりたくなくてなる人がいるのだろうか?
いるんだなこれが......。それがこの『しゃにむに写真家』の著者吉田亮人さんで、何せ写真家になった経緯というのが、ある晩奥さんから話があると言われ、離婚を切り出されるのかとヒヤヒヤしていたら、なんとこんな安定した暮らしをしてても面白くない!どちらかが仕事を辞めてやりたいことをやり困難な道を歩くべきだと詰め寄られるのだった。
そうして吉田さんは満足していた教師の仕事を辞めることとなり、何をやればいいんだと悩んだ末に学生時代に少し興味を持って撮っていた写真の世界に足を踏み入れていく。
だからこそ、全編に渡って表現ってなに? ということを著者は実直に考え続けていく。写真は何のためにあるのか? 撮った写真はどうするのがベストなのか? 写真集を作るならどんな本作りをするべきか?
本としては自死してしまった従兄弟の話から始まり、その家族模様や自身の生い立ちなどが語られ、生きるとは? 人生とは? と色々と考えさせられるのだけれど、やはり同じように半ば仕事として表現に携わっている身としては、この吉田さんの表現に対する問いかけや考えに激しく心を揺さぶられるのだった。
「あなたは何で本を作っているの? どうして本を売っているの?」
★ ★ ★
ちょうどその買い求めた本屋・生活綴方さんでやっているラジオ「本こたラジオ」第5回が配信される。直納に伺ったままゲスト出演させただいたのが、かなり赤裸々に今仕事しながら感じてること思ってること考えてることを話せたような気がする。最近はカッコつけるのをやめて、というかカッコつける体力がなくなり、ダダ漏れになりつつある。
終日、書店さん向けDM作りに勤しむ。
帰りに本屋さんを彷徨いていると、中坊徹次『絶滅魚クニマスの発見』(新潮選書)を発見。これは絶対に好きなやつ!と即購入する。