武田砂鉄さんの書くものは、たくさん連載を抱える今となっても全くクオリティが落ちてません。
何を読んでも、そうかそんな見方があったのかと膝を打つような新しい視点に気が付かせてくれます。
青弓社より刊行された新刊『芸能人寛容論』は一作目の『紋切型社会』に比べると軟派かな、と油断していると足元すくわれます。
芸能人のおかしなところにツッコミを入れて揶揄するのは簡単です。
それだけのものなら著者は武田さんである必要はございません。
気になってしまうあの人たちの挙動の背景にどんな社会的要因がひそんでいるのか。
サバイブするための思惑がどのように表出してしまっているのか。
ねじれた事象を解きほぐす手際は、紋切型の言葉を解体していった前作以上に洗練されているかもしれません。
「言葉」に着目する武田さんの武器は本を読み込むことにあるようです。
『芸能人寛容論』においてもタレント本を紐解いて、解釈を肉厚なものにしております。
そんな武田さんの武器庫を少し見学させていただけないだろうかと、今回選書フェアを依頼しました。
仕事としてもプライベートでも膨大な本に目を通してそうな武田さんがどんな本を選ぶのか。
一筋縄では動かなそうな砂鉄を引き寄せる磁力強めな20冊にご注目あれ。
開催日時 | 2016年9月上旬よりしばらくやります。 |
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会場 | ブックスルーエ一階雑誌フェア台 |
問い合わせ先 | 0422(22)5677担当花本 |