現存するフェルメールの全作品を植本一子さんが旅して、撮って、書く。ナナロク社、ブルーシープ共同発行『フェルメール』。そのような本に書店員として向き合えることに胸がドキドキいたします。
それぞれに仕事を抱え、人生に惑い、出会い、別れてきた大人たちが謀って、この旅の主は植本一子とフェルメールなのだ、と定めたときに歯車は回転をはじめたのだろう。
複数の交錯する視線がページを走っている。植本さんが絵を見る。絵を鑑賞する人たちを作品込みで撮影する植本さんを本の内側に見る、感じる、私たちの視線。「見る」ってことがどういうことなのか、果たしてこれまで何を見て、何を見てこなかったのか。
植本さんがとことんフェルメールを見てきた時間、その「揺れ」のようなものが写真にも文章にも濃密に凝縮されている。稀有な本です。まぎれもなくフェルメールの本であり、植本一子の本なんだとおもいます。
ブックスルーエ踊り場ギャラリーでは、12月と翌年1月の2ヶ月間、『フェルメール』の写真パネルを展示いたします。
そこに視線が行き交うことを待望しております。
開催日時 | 2018年12月1日から2019年1月31日 |
---|---|
会場 | ブックスルーエ階段踊り場ギャラリー |
問い合わせ先 | 0422(22)5677 担当花本 |