写真家、金玖美さんが2004年より15年間とらえ続けたイギリスの人々と情景を、3月29日、一冊の写真集『EXIT』として発表。刊行を記念して本作のデザインを担当した尾原史和さんと写真家によるトークイベントを開催します。トーク終了後はサイン会を予定しておりますので、ぜひご参加ください。
――以下、写真集本文より
4、5歳の頃に姉と繰り返し読んでいた本の中に出てきた、イギリスの地名に
ずっと惹かれ、いつか行ってみたいと思いを馳せた。
空想の中で惹かれていた英国へ、20歳の時に初めてひとりで訪れる。
その10年後、暫時居住することになり、そこは私にとってもはや幻想ではなく、
現実の世界となった。
渡英後すぐに始めた家探し中に見つけた楽しみ。
部屋の内見をしながら、人々の生活を覗き見る。写真を撮る。
そして一緒に暮らしてみる。
国境をも超えた、全くの他人同士の暮らし。個々の部屋に鍵はない。
様々なルーツを持つ移民や、性差を超えた男女たち。
単身者、カップル、家族、・・・。
ちょっとシャイでポリティカル。そして温かく、無干渉。
2016年のBrexit をめぐる国民投票後、30万人もの移民がすでに英国を去ったという。
残留の一票を投じるために、家族を守るために、英国籍に変えたドイツ人男性。
金があればEU離脱なんてどっちでもいいと言う黒人青年。
不法占拠を続け、その暁にフラットを自分のものにしたイギリス人画家。
初めて会ったその日に、「家で子供を産むから写真を撮りに来ない?」と持ちかける妊婦。
EU離脱というより日々の生活が心配だと嘆く若きシングルマザー・・・。
これらは2004年から2018年までの間、ロンドンを中心に撮影しており、国民投票後の2016年以降はドーヴァー、マンチェスターへも足を延ばした。
自身の私的なドキュメンタリーから生まれた1枚1枚の写真に潜む、愛すべき他人たちのストーリーを想像していただければ幸いである。
私が経験したかつてのこの英国での情景を、決して忘れはしない。
金 玖美
*書籍の発送はございません。イベント当日、あるいはご希望の方には事前に店頭にてお渡しいたします。
開催日時 | 2019年4月7日 (日) 時間 14:00~15:30 開場13:30~ |
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会場 | 青山ブックセンター本店 |
参加方法 | 当店ホームページからオンラインクレジット決済、店頭にて引換券のご購入 |
入場料 | 4,320円(書籍代・税込)or 1,350円(入場料のみ・税込) |
定員 | 50名様 |
関連URL | http://www.aoyamabc.jp/event/exit/ |
問い合わせ先 | 電話 03-5485-5511 |