本の雑誌2007年10月　アカトンボきょろり号 - 今月の本の雑誌

取次搬入：2007年9月10日
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　岩波文庫創刊から80年。文庫はニッポンオリジナルのペーパーバックとして定着しているが、では、我々は文庫について何を知っているのか!?　というわけで、本の雑誌10月号の特集は「いまニッポンの文庫はどうなっているのか！」。岩波文庫に先立つこと13年、1914年に創刊された新潮文庫から1997年創刊の幻冬舎文庫まで、各文庫の創刊広告を総まくりしたうえで現在の生存率を調査する「文庫生存率比べ」に、文庫解説目録読み比べ、文庫解説の現状を憂う緊急提言コラムにナツイチ「次コレ！」のリレーに挑戦、さらに東野圭吾全文庫目録情報から、読者の初体験文庫まで、ただいまのニッポンの文庫の現状が一目瞭然（？）の総力特集だ。さあ、友よ、読書の秋本番を前に文庫の現状を正しく振り返っておこうではないか！

　新刊めったくたガイドは、三橋曉が御年70歳超！ジョー・ゴアズ久々の長編『路上の事件』にびっくりしたかと思えば、牧眞司はリンクに膝を打ち、ゼーバルトに惑って、空青く雲高い日々を満喫。大森望がティプトリーの伝説的長編『輝くもの天より堕ち』に20年遅れで感動すれば、大矢博子はロードレース・ミステリー『サクリファイス』に一気呵成の燃え！　永江朗が小池昌代の短編集『タタド』の不気味さにゾワ～ッと震えれば、東えりかはトラブルだらけの無法地帯『名画座番外地』の盛衰記をずばりイチオシ。そして北上次郎は探検記アンソロジー『大冒険時代』をもっと読みたい！とわがままなお願い！　さあ、あなたも、もっともっと読みたい、とわがままな読書の秋を過ごそう！

　今月のゲストは８月に『シャーロック・ホームズ万華鏡』を上梓したばかりの北原尚彦。今月は古本旅ではなく、単行本に収録できなかった最新のホームズネタを番外編として紹介。「名探偵なんせす」の謎と真実に激しく迫るのだ。さらに今月は、なんと読者アンケートがもう一本。前号掲載予定だったのが一号ずれて、すまぬすまぬの再チャレンジだが、ひと月おいて中身はいっそう熟成、パワー倍増で本誌読者が偏愛するイラストレーター、挿絵画家が登場だ。さあ、秋の夜長は挿絵もじっくり眺めつつ、どっぷり読書にいそしもう！

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