2008年4月 シシャモじゃんけん号
大統領予備選挙もはやくも佳境!のアメリカ合衆国だが、どっこいアメリカの隠れた黄 金期は50年代なのだ! というわけで、本の雑誌4月号はアメリカ文学をこよなく愛する『オン・ザ・ロード』青山南とアンチ『キャッチャー・イン・ザ・ラ イ』派の坪内祐三が文学からサブカルチャーまで、黄金の50年代アメリカン・カルチャーを語る特集対談。「パパはなんでも知っている」だけが50年代じゃ ないのだよ、と熱く語るおじさん二人の声を聞いてくれぃ!
新刊めったくたガイドは三橋曉がレナード『ホッ
ト・キッド』を前作と合わせて一本と大絶賛すれば、牧眞司は人間じゃなくても読めるなら読め!とミルハウザーを怒濤のイチ押し! 大森望が奇想コレクショ
ンの最終兵器、ジョン・スラデックのすばらしいくだらなさに太鼓判を打てば、宇田川拓也はユーモアとサプライズの抜群のブレンドに愉快痛快。永江朗がうん
ちくてんこ盛りミニ百科事典的小説『光の指で触れよ』に『白鯨』を想起すれば、東えりかは『死刑』読みつつ、森達也の悩みを一緒に堪能。そして『平成大家
族』で中島京子初体験の北上次郎は一挙に中島京子中毒に! さあ、てんこ盛りのイチ押し新刊で、暁まで春読に挑戦しよう!
そして今月は乙女派書店員一時休業中の高頭佐和子がブレスレットとシールで目の下のくまが消えた庄子美幸さんに挑戦!?
疲れた心と体のリフレッシュのために健康雑誌を読み比べて「欲望系乙女派書店員」への道をまっしぐら。英国編も3回目の北原古本旅はいよいよ世界一の古本
村に到着! 喜国夫妻を巻き込んでの珍道中ぶりに注目だ! さらに高野秀行の辺境読書が2ページにパワー倍増して織田信長をUMA探索者に指名したかと思
えば、目黒考二はなんと1510円!の高額なお買い物。読者アンケートは「私の枕本」で、安眠効果もバッチリ! さあ、暁まで読むか眠るかはあなた次第。
桜前線よりひと足お先に北上中の本の雑誌4月号は東西南北問わず、お近くの書店で満開(のはず)だあ!
目次
今月の一冊
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/海外文学愛好家は迷わず買うべし! 豊崎由美
読者アンケート/私の枕元本
乙女派書店員レポート/健康雑誌で今日から私も欲望系!?
特集:青坪アメリカを語る! 青山 南vs坪内祐三
☆アメリカ文学をこよなく愛する二人がケルアックからサリンジャーまで黄金の50年代アメリカンカルチャーを熱く語るのだ!
コラム・今月のお買いもの 目黒考二
ミーツへの道/ロンドンとシャンペン 江 弘毅
ブックス・墨瓦蝋泥加/中野美代子の本は癖になるのだ! 宮田珠己
北原古本旅・英国編/夢の古本聖地にいよいよ到着! 北原尚彦
共産圏SF再読 鏡明
南の話/とうとう五番街に 青山南
新刊めったくたガイド
レナード『ホット・キッド』を前作ともども大絶賛だ! 三橋曉
人間はミルハウザーを読め、人間じゃなくても読めれば読め 牧眞司
奇想コレクション最終兵器スラデックがついに出た! 大森望
笑いと驚きの大盤振る舞いだ! 宇田川拓也
『光の指で触れよ』は『白鯨』型小説である! 永江朗
森達也『死刑』を読みつつ一緒に悩む 東えりか
『平成大家族』で中島京子中毒なのだ 北上次郎
大好きなデブデカの死にショック! 穂井田直美
現実と歴史の境界を描くオーラル 神谷竜介
ジェフ千葉に人生の分かれ道をしみじみ思う 田口久美子
傑作目白押しのプリースト短篇集『限りなき夏』 山岸真
年収300万の時代 お金にまつわる物語 近藤庄太郎
一切妥協なしの『自遊人』にアッパレ! 柴口育子
じっくり読みたい伝説のパズル作家の傑作集 渡邊十絲子
沖縄古歌謡“おもろ”学者の力作評伝 川上賢一
坪内祐三の読書日記/千秋楽の二日後に月刊『大相撲』「初場所決算号」が並らんでいた 坪内祐三
サブカルチャー創世記/『宝島』と誌名を変えて 津野海太郎
よさこい少女マンガ格闘記/裏の顔はメイドに幼妻いまどき二重生活マンガ ビンゴ本郷
高野秀行の辺境読書/織田信長は日本初のUMA探索者か?! 高野秀行
自在眼鏡/第五回絲山秋子賞の受賞作は何だ!?他
コラム
・今月の林カケ子 林カケ子
・ミミ中野のこれいただくわ ミミ中野
・古本屋セドロー君の午後 向井透史
ヒーローたちの荒野/藤沢とチャンドラーの「待っている」 池上冬樹
岸和田DNA/ジャマ者は消えろ 中場利一
元気なおばあちゃんがブイブイ解決するのだ! 大矢博子
チェイス“蘭”の奇妙な展開 吉野仁
猛烈に“リアル”な『闇金ウシジマくん』 霜月蒼
鋼鉄の囚人とメイラーの書簡集 柳下毅一郎
掲載図書索引
続・棒パン日常/古本と「差額」 穂村弘
三角窓口/アンネ・フランクは日本人だった!?他
長島千尋のうきうき道場 長島千尋
「悪果」の弁護士的読み方 木村晋介
歩く旅/三十年目のソーキそば 沢野ひとし
今月のお話/ノーテンキな冬越え 椎名誠
後記