2010年3月 梅が咲いたら駆け出し号 No.321
新刊めったくたガイドは三橋曉がシリーズ屈指のスリルみなぎるディー判事もの『螺鈿の四季』を堪能すれば、山崎まどかはすさまじい暴力描写が吹き荒れる『ブラッド・メリディアン』をまさしくアメリカと納得。大森望が新井素子7年ぶりの長編で10年ぶりのSFイヤーを実感すれば、宇田川拓也は帰ってきた酔いどれたちの武装酒場に目頭ジンジン。アライユキコが一瞬も気を抜けない森絵都の怪作にびっくり仰天すれば、金子のぶおは寺田寅彦からニュートンまで古今東西物理学者の生涯をまとめ読み! そして北上次郎はカッパ・ノベルス50年のリストは見ているだけで飽きない!と創刊50周年に感涙。さあ、あなたも目頭ジンジン、びっくり仰天してみよう!
そして今月はあの『キャプテン』が完全版で帰ってくるプロジェクト・キャプテンの全貌を永江朗がレポートしたかと思えば、世界の魔窟からには「と学会」会長・山本弘が登場! さらに不定期連載「食えばわかる!」で吉田伸子が筑前煮に挑戦すれば、内澤旬子は『豚と共に』の仰天おやじが作った豚肉を食べてみたかったと絶賛! 坪内祐三が「ニューヨーカー」12月7日号を5冊も買ってしまったのなら、○△□▼(ここにあなたの名前を入れよう!)もやっぱり5冊は買ってしまいたい、本の雑誌3月号は1人1冊、1家に5冊、家族の人数は不問で、日本国民全員分用意して(本当か?)、いざいくのだあ!
目次
今月の一冊
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/驚異の“い段”抜き訳業を見よ! 豊崎由美
仰天おやじの写真集『豚と共に』 内澤旬子
ブックス・墨瓦蝋泥加/風景を味わいつくす立体読書の魅力 宮田珠己
特集:いま書評はどうなっておるのか!
お鍋ぐつぐつ下仁田ネギ対談/書評採点ページを作ってくれぃ! 絲山秋子vs豊崎由美
今こそ新聞書評は重要だ 坪内祐三
カスタマレビューで泣くなんてお馬鹿さんね 杉江松恋
いま、霜月蒼がすごい! 北上次郎
ある書評家の運命 新保博久
書評はどのようにできるのか 永江 朗
読者アンケート・好きな書評欄、好きな書評家
世界の魔窟から/論理の隙間には付箋、本棚の隙間には怪獣とロボと美少女だ!
吉野朔実劇場/おせちもいいけど短歌もね 吉野朔実
プロジェクト・キャプテン奮戦記 永江 朗
吉田伸子の「食えばわかる!」/酒の友にこっくりじんわり筑前煮 吉田伸子
ヒーローたちの荒野/「決断の三時十分」二つの映画化作品 池上冬樹
新刊めったくたガイド
シリーズ屈指のスリル漲る『螺鈿の四季』を堪能! 三橋曉
すさまじい暴力描写が吹き荒れる『ブラッド・メリディアン』 山崎まどか
新井素子7年ぶりの長編でSFイヤースタート! 大森望
酔いどれたちの武装酒場が帰ってきた! 宇田川拓也
一瞬も気が抜けない森絵都の怪作 アライユキコ
寺田寅彦=「牛頓」? 古今物理学者の生涯をまとめ読み! 金子のぶお
カッパ・ノベルス50年のリストを見ているだけで飽きないのだ! 北上次郎
ミステリの女王88歳の新作にびっくり 穂井田直美
勝者なき戦い 伊野尾宏之
ゼロ年代日本SFの傑作がどどんと集結! 山岸真
おかゆのような正宗白鳥作品 荻原魚雷
電車は言語を絶する贅沢品である! 渡邊十絲子
カボチャラダムス大先生の美術館へ行こう! 満薗春菜
とことん身も蓋もない「オルグ」マニュアル 風野春樹
オビミシュラン M・オビスピエール
坪内祐三の読書日記/『ニューヨーカー』の十二月七日号を結局五冊も買ってしまった 坪内祐三
ミーツへの道/突然の社長交代 江 弘毅
高野秀行の辺境読書/「自由」を売ろうとした男たち 高野秀行
物理学者の男性百科 鏡明
南の話/ギャッとおどろく心の友 青山南
サッカーストーリーズ/匂い はらだみずき
日本SF戦後出版史/SF映画の会と《鉄腕アトム》の巻 高橋良平
『麗しのオルタンス』ジャック・ルーボーに直撃質問! 円城 塔
“ピンクの馬”とアメリカの原罪 吉野 仁
“伝説の英雄”となる人物の若き日の冒険 池澤春菜
刑事の矜持がのぞく『福島県犯罪史』 柳下毅一郎
続・棒パン日常/詩と散文 穂村弘
三角窓口/昭和のイケメン作家といえば小川国夫だ! 他
小学3年生書評家ゆきちゃんの読んで育つ ゆきちゃん
キムラ弁護士小説を書く/町田秀子という女(その3) 木村晋介
歩く旅/金沢雪景色抒情 沢野ひとし
今月のお話/春にキヤノンのギャラリーSで会おう。 椎名誠
後記