2011年3月 333号記念特大号 No.333
新刊めったくたガイドは杉江松恋がボッシュ・シリーズ13弾『死角』にお見事!と快哉すれば、山崎まどかは痛ましくも「幸福」な執念の恋物語を絶賛。大森望がアトウッドの本格終末SFを読め!とぐいぐい推せば、酒井貞道はイヤミスの旗手・青井上鷹の傑作ショートショートをイチオシ。榎本文昌が小谷野敦『母子寮前』にいつか来る日を思えば、内田剛は埋もれたものを探る六冊の本を大発掘。そして北上次郎はモニュメンツ・メンの奮闘にわくわくドキドキ。おっと、モニュメンツ・メンとは何か。46ページを開いてくれぃ!
今月は何を隠そう333号記念(!)の特大号で、おじさん三人組が東京タワーの登頂に挑戦。外階段を昇って地上150メートルの大展望台で『東京タワー』を読もう!という特別企画だ。さらにミリオンセラー刊行の顛末に永江朗が迫る緊急ルポ「『KAGEROU』24時」があるかと思えば、坪内祐三先生が新米編集長・浜本に編集長の心得をレッスンする短期集中講座「名編集長養成虎の穴」がスタート。シンポ教授が「ジャーロと呼ばれた男」にロングインタビューすれば、宇田川拓也は大沢在昌の入門本10冊をピックアップ。そしてそして、はらだみずきの「サッカーストーリーズ」がついにきたかの最終回だ。なぜ333号記念が特大号なのか! 鋭い疑問を持つ人は128ページを見てくれぃ! の本の雑誌3月号は三三九度で熱さ百倍の特大号だあ!
目次
今月の一冊
名編集長養成虎の穴/年に二十日、仕事より熱中できる趣味を持て! 坪内祐三・浜本 茂
『KAGEROU』24時 永江 朗
吉野朔実劇場/献辞 吉野朔実
特集:いま冒険本・探検本が熱い!
対談/よく燃えるのが実用探検本の条件だ! 高野秀行vs角幡唯介
コラム/ジャングル“本”も宝の山 二村 聡
奥アマゾン・ヤノマミ族の地で読んだ「百年の孤独」 国分 拓
行為者と報告者 服部文祥
探検の前に旅行記があった 宮田珠己
児童文学の面白探検本・冒険本 大久保 寛
辺境ツアーガイドが嫉妬した冒険&探検本 金澤聖太
読者アンケート/私の冒険・探検本!
黒豚革の手帖/挫折の来歴 内澤旬子
活字に溺れる者/断捨離あれこれ 荻原魚雷
『ジャーロ』と呼ばれた男──北村一男インタビュー 新保博久
吉田伸子の「食えばわかる!」/ぬいぐるみシェフ“ぶたぶた”のナポリタン 吉田伸子
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/自律的につながりあう物語 豊崎由美
新刊めったくたガイド
ボッシュ・シリーズ十三弾『死角』にお見事! 杉江松恋
痛ましくも「幸福」な執念の恋物語 山崎まどか
アトウッドの本格終末SFを必読だ! 大森望
イヤミスの旗手・青井上鷹の傑作ショートショート 酒井貞道
小谷野敦『母子寮前』にいつか来る日を思う 榎本文昌
埋もれたものを探る六冊の本 内田剛
モニュメンツ・メンの奮闘がやめられない! 北上次郎
アイスランドの実力作家イルサと再会! 穂井田直美
電子書籍をこきおろす 大井潤太郎
地図への愛があふれるお楽しみ本 渡邊十絲子
日本SF新人賞作家三島浩司渾身の力作 山岸真
鈴木義治の絵 浅生ハルミン
愛すべき出オチ本たち 中嶋大介
日本最南端出版社・南山舎の本 舘浦あざらし
オビミシュラン M・オビスピエール
新刊クロスレビュー 東 えりか・林 カケ子・松井ゆかり・浜本 茂
ハスミ先生が作ったフランス語の教科書って知ってましたか? 坪内祐三
ブルース・リーのカトー 鏡明
南の話/ボーチョの氾濫 青山南
サッカーストーリーズ/それから はらだみずき
日本SF戦後出版史/〈別冊宝石〉世界SF傑作集の巻 高橋良平
数学の教科書いろいろ 円城 塔
人体冷凍財団の真実!? 風野春樹
はふうでうげらぽんなまほろワールド 池澤春菜
一味違う殺人本“Killer Fiction" 柳下毅一郎
今月本の雑誌に遊びに来た人
今月書いた人
掲載図書索引
続・棒パン日常/飲み会 穂村弘
三角窓口/編集者が「様」なら歴史小説家は「殿」だ!? 他
ミミ中野の「これいただくわ」 ミミ中野
キムラ弁護士小説に学ぶ/『嫌われ松子の一生』を読んで 木村晋介
歩く旅/北京のお粥屋 沢野ひとし
大沢在昌の10冊/大沢ハードボイルドの“艶”を見よ! 宇田川拓也
333号記念特別チャレンジ/おじさん三人組東京タワーを階段で昇る!
後記