2017年1月 宝船どんぶらこ号 No.403
さあ、年間ベスト10の季節が今年もやってきた! というわけで、「本の雑誌」1月特大号は、お待たせのベスト10大特集号。本の雑誌が選んだ2016年度ノンジャンルのベスト10に、鏡明のSFベスト10、池上冬樹のミステリーベスト10、佐久間文子の現代文学ベスト10、栗下直哉のノンフィクションベスト10、縄田一男の時代小説ベスト10、そして北上次郎のエンターテインメントベスト10と並ぶ、怒濤のベスト10七連発だ! さらに作家、評論家、翻訳家など総勢31名が選ぶ「私のベスト3」、もちろん忘れちゃいけない読者のベスト1もあるぞ!のベスト尽くしの大特集。平家をマジでいってこます歴史小説から青山南大賞のあの本まで、強力ライバルを撃破して本の雑誌が選ぶベスト1に輝いたのは、発行人&炎の営業が推し推しの警察小説だ! 嵐のベスト10攻勢で2016年の面白本は一目瞭然。正月休みはおこたでぬくぬく読書三昧といこう!
メンバーが大幅に変更された新刊めったくたガイドは♪akiraがスウェーデンからスペインまで、初登場作家三連発を寿げば、江南亜美子はまったき恋愛小説『アメリカーナ』に◎。大森望が豪華アンソロジーで伊藤典夫イヤーを締めれば、若林踏は月村了衛『黒涙』の壮絶なカタルシスにぞっこん。北村浩子が『浮遊霊ブラジル』の"物語消費の罪"におののけば、青木大輔は孤高の言語学者のエッセイにほんわかきりり。そして北上次郎は『松田さんの181日』の鮮やかな切り口に拍手だ。さあ、おじさんが読ませる力は群を抜いていると絶賛する新人の登場に一緒に拍手しよう!
今月から内田剛、島田潤一郎、不破ナルミ、鎌倉幸子、原カントくん、矢部潤子6氏の連載がスタート。徳永圭子、秋葉直哉両氏は舞台を変えての再登板だ。文庫から図書館、漫画に雑誌まで情報ページもますます充実、本文デザインも一新して、さらにパワーアップの「本の雑誌1月号」と「おすすめ文庫王国」で、2016年の面白本を再チェック。みかんむきむき読書の正月を迎えてくれぃ!
目次
本棚が見たい!
1月の書店 丸善お茶の水店/1月の書斎 嶋浩一郎
一私小説書きの日乗/新起の章(五) 西村賢太
新旧いろいろ面白本/川と人間とカヌーの本 椎名 誠
特集:2016年度ベスト
社内座談会実況中継
読者が選んだベスト1
SFベスト10 鏡明
ミステリーベスト10 池上冬樹
時代小説ベスト10 縄田一男
私のベスト3
現代文学ベスト10 佐久間文子
ノンフィクションベスト10 栗下直也
エンターテインメントベスト10 北上次郎
おじさん三人組、カストリ書房に行く!
ユーカリの木の蔭で/歴史は繰り返す 北村 薫
読む京都/京都小説の法則 入江敦彦
新刊めったくたガイド
スウェーデンからスペインまで初登場作家三連発だ! ♪akira
まったき恋愛小説『アメリカーナ』がいい! 江南亜美子
伊藤典夫イヤーを締める豪華アンソロジー 大森 望
月村了衛『黒涙』の壮絶なカタルシスを見よ! 若林 踏
『浮遊霊ブラジル』の“物語消費の罪”におののく 北村浩子
孤高の言語学者のエッセイにほんわかきりり 青木大輔
『松田さんの181日』の鮮やかな切り口に拍手! 北上次郎
クライムノベルの横綱黒川博行の『喧嘩』を見よ! 宇田川拓也
秘境・出版業界に挑む一冊 内田 剛
我が家のような啓文堂書店桜上水店 島田潤一郎
チャイナ・ミエヴィル『爆発の三つの欠片』が出る! 山岸真
混沌の日々を描く焼け跡人情喜劇 不破ナルミ
昭和・平成版『名作挿画全集』編纂を求む 彩古
名探偵コナンがいる図書館は利用者とつながる工夫満載 鎌倉幸子
偏愛ビンビンのVHSビデオ専門映画誌「南海」 原カントくん
サバイバルな書物/ディストピアでわかる、食べ物がいっしょに生きていること 服部文祥
着せ替えの手帖/五十男の豹変 内澤旬子
そばですよ/世界で(たぶん)ひとつだけ。前代未聞のコロッケ。 平松洋子
坪内祐三の読書日記/シャロン・テートって人気ナンバーワン女優だったの? 坪内祐三
連続的SF話/ベストの落ち穂拾い 鏡 明
南の話/司法ってなに 青山 南
日本SF戦後出版史/大人の“マンガブーム”の巻 高橋良平
ぞわぞわ感の境界 円城 塔
呼応する戯曲とエッセイ 徳永圭子
秋は深くなりました 秋葉直哉
天才に囲まれた女性の儚い死 風野春樹
ホリイのゆるーく調査/昔の小説の横文字を調べてみる 堀井憲一郎
歩く旅/満洲開拓団 沢野ひとし
掲載図書索引
続・棒パン日常/未来の本屋 穂村 弘
三角窓口/仕事帰りはなぜか光文社古典新訳文庫なのだ! 他
今月の男前 矢部潤子
今月書いた人
今月本の雑誌に遊びに来た人
後記