2018年1月 ふろふき大根はふはふ号 No.415
さあ、今年も年間ベスト10の季節がやってきた! 「本の雑誌」1月特大号は、年に一度のベスト10特集号。本の雑誌が選んだ2017年度ノンジャンルのベスト10に、鏡明のSFベスト10、池上冬樹のミステリーベスト10、縄田一男の時代小説ベスト10、佐久間文子の現代文学ベスト10、栗下直也のノンフィクションベスト10、そして北上次郎のエンターテインメントベスト10が並ぶ、怒濤のベスト10七連発だ! さらに作家、評論家、翻訳家など総勢32名が選ぶ「私のベスト3」、もちろん忘れちゃいけない読者のベスト1もあるぞ!のベスト尽くしの大特集。身の毛もよだつ熊本ラッシュから熊より怖い社会派ノンフィクション、蔵書家落涙の一冊まで、激論のなか見事一位に輝いたのは熱量が押し寄せてくる愛憎エンターテインメント『〇ブ〇〇ィ〇ン』! 愛とパッションが入り混じる嵐のベスト10攻勢で2017年の面白本は一目瞭然。正月休みはこれでぐいぐい読むのだあ。
新刊めったくたガイドは、♪akiraが警察小説の王道を行くオリヴァー&ピアの最新刊を力強くおすすめすれば、江南亜美子はおそるべき新人のデビュー作、エマ・クライン『ザ・ガールズ』におっとびっくり。大森望が樋口恭介『構造素子』は"円城塔以後"の傑作だ!と断言すれば、若林踏は正統派私立探偵小説『転生の魔』が堪らない!と絶賛! 北村浩子が河﨑秋子『肉弾』をかぶりつきで読めば、今月から新登場・仲野徹は『おじさん酒場』で持ちつ持たれつ。そして北上次郎は『江戸川乱歩と横溝正史』の激動の出版史が面白い!と太鼓判。さあ、読み始めたらやめられなくなるイチオシ本で、読書三昧だ!
そして今月から太田和彦「酔いどれ文学紀行」がスタート。第1回は姫路で城と『昔日の客』と湯とうふだ。ふら~りふわ~りなのである。さらに今月から仲野徹の新刊めったくたガイドのほかに、新宿ゴールデン街の岡部愛と古本屋ツアー・イン・ジャパンの小山力也が待望の連載スタート。黒い昼食会の弁当が「最高級黒毛和牛100%ハンバーグ弁当」にグレードアップなら、松山市立中央図書館館長が本の雑誌社の松山移転を進言。おお、2018年の本の雑誌社は神保町からIターン? さあ、本文デザインも一新してますます面白い「本の雑誌1月号」と「おすすめ文庫王国2018」があれば、正月休みの読書計画も万全。熱燗ちびちび温泉読書といこう!
目次
本棚が見たい!
1月の書店 戸田書店/1月の本棚 夏目房之介
酔いどれ文学紀行/姫路城の『昔日の客』 太田和彦
黒い昼食会/文庫のカバーが効き目なのだ!
新旧いろいろ面白本/想像もできないような大きさ比べの図鑑 椎名 誠
特集:本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10
社内座談会実況中継
読者が選んだベスト1
SFベスト10 鏡 明
ミステリーベスト10 池上冬樹
時代小説ベスト10 縄田一男
私のベスト3
現代文学ベスト10 佐久間文子
ノンフィクションベスト10 栗下直也
エンターテインメントベスト10 北上次郎
一私小説書きの日乗/新起の章(十七) 西村賢太
緊急提言/道楽者の松山に書庫村をつくればいいのだ! 桝田二郎
たのしい47都道府県正直観光案内〜福井県・静岡県編 宮田珠己
着せ替えの手帖/再会のスーツ 内澤旬子
新刊めったくたガイド
警察小説の王道を行くオリヴァー&ピアの最新刊だ! ♪akira
おそるべき新人のデビュー作 エマ・クライン『ザ・ガールズ』 江南亜美子
樋口恭介『構造素子』は“円城塔以後”の傑作だ! 大森 望
正統派私立探偵小説『転生の魔』が堪らない! 若林 踏
河㟢秋子『肉弾』をかぶりつきで読むべし! 北村浩子
持ちつ持たれつの『おじさん酒場』がいいぞ 仲野 徹
『江戸川乱歩と横溝正史』の激動の出版史が面白い! 北上次郎
寝不足必至の冒険サスペンス『サハラの薔薇』がすごい! 宇田川拓也
関連文庫てんこ盛りの「西郷どん」祭りだ! 内田 剛
身近にある本屋さんBOOKSルーエ 島田潤一郎
改変世界の逃亡物語『地下鉄道』 山岸真
まっすぐに一目惚れを描く『ルポルタージュ』 岡部 愛
津田沼の先のハンフリー・ボカート 小山力也
一つの市に、特徴のある8つの図書館 鎌倉幸子
カッコいいは正義!のバイク雑誌「MOTO NAVI」 原カントくん
サバイバルな書物/ド直球を投げ込んでくる『明日の狩りの詞の』 服部文祥
マルジナリアでつかまえて/マルジナリアは人生も変える 山本貴光
ユーカリの木の蔭で/徳田秋声は、こんな風に…… 北村 薫
坪内祐三の読書日記/三島由紀夫はダック・テールにしてたんだって横山剣さん 坪内祐三
連続的SF話/メルツァーを探して 鏡 明
南の話/言葉のお尻たち 青山 南
そばですよ/そば、弁当、酒とつまみ。茅場町を骨抜きにする三毛作。 平松洋子
日本SF戦後出版史/一九六六年のSF映画の巻 高橋良平
言語のつくり方 円城 塔
それぞれの人生を丁寧に描く『光の犬』 徳永圭子
縦に浮かんだ緑の線 秋葉直哉
混乱と理不尽に満ちたスペリングの歴史 風野春樹
ホリイのゆるーく調査/『我が心は石にあらず』に書き込まれた難読漢字印 堀井憲一郎
歩く旅/豊子愷を知っていますか 沢野ひとし
掲載図書索引
続・棒パン日常/火星年代記 穂村 弘
三角窓口/『悪趣味ビデオ聖書』は魔導の書である!? 他
今月の男前 矢部潤子
今月書いた人
今月本の雑誌に遊びに来た人
後記