老人読書はけっこう過激なのだ
蔵書の処分、図書館の使い方、速読と血読、有名作家たちの晩年。名編集者が70歳からの本との付き合い方を綴る、老いと笑いの読書エッセイ。
■四六判並製 ■272ページ
【目次】
老人読書もけっこう過激なのだ(試し読みPDF)
<壱>
本を捨てない人たち(試し読みPDF)
減らすのだって楽じゃない(試し読みPDF)
路上読書の終わり
新しいクセ
遅読がよくて速読はダメなのか
月光読書という夢
「正しい読書」なんてあるの?
本を増やさない法
近所の図書館を使いこなす
退職老人、図書館に行く
渡部型と中野型
<弐>
背丈がちぢまった
ニベもない話
私の時代が遠ざかる
もの忘れ日記
漢字が書けない
老人演技がへたになった
八方にでてパッと凍る
〈死者の国〉から
本から本へ渡り歩く
老人にしかできない読書
ロマンチック・トライアングル
<参>
映画はカプセルの中で
いまは興味がない
病院にも「本の道」があった
幻覚に見放されて
友達は大切にしなければ
書くより読むほうがいい
むかしの本を読みかえす
怖くもなんともない
古いタイプライター
もうろくのレッスン
あとがき
【著者略歴】
津野海太郎(つの・かいたろう)
1938年福岡県生まれ。早稲田大学卒業後、劇団「黒テント」で演出家として活動する一方、晶文社の編集責任者として、植草甚一やリチャード・ブローティガンなど60年代、70年代の若者文化の一翼を担う書物を次々世に送り出す。のち「季刊・本とコンピュータ」編集長、和光大学教授・図書館長をつとめる。現在は評論家。
著書に『おかしな時代 「ワンダーランド」と黒テントへの日々』、『花森安治伝 日本の暮らしをかえた男』、『したくないことはしたくない 植草甚一の青春』、『ジェローム・ロビンスが死んだ』、『電子本をバカにするなかれ 書物史の第三の革命』などがある。