文字を食して、言葉をあじわう。
本の雑誌社10月の新刊は、多くの本好きの間で愛読されているウェブサイト「文字の食卓」の待望の書籍化です。
昨今、加速度をつけ急激にDTPに取って変わられ消えていく「写植書体」を、使用された名文とともに紹介する「文字と言葉をめぐる読書エッセイ」です。
石井細明朝、中ゴシック、太ゴシック、ゴナ、ナール、タイポス、淡古印、本蘭明朝......。戦後の印刷文化を支えてきた最も重要な道具である「写植書体」。その種類は数十をかぞえ、使用用途は日本語の印刷にかかわるすべて、雑誌、書籍、漫画はいうにおよばず、商品のパッケージ、テレビ放送のテロップなどあらゆる分野に渡りました。
読む者の「目」を意識した洗練された文字デザイン。『文字の食卓』では39書体をとりあげ、ひとつひとつ食になぞり、慈しむように、思い出と思い入れをたっぷりに紹介していきます。