新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2020年6月号掲載
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書評担当者:北上次郎
イヤなやつばっかりの『希望のゆくえ』にびっくり!
イヤなやつばっかりだ。 寺地はるな『希望のゆくえ』(新潮社)である。イヤなやつがわんさか登場する小説は珍しくないが、寺地はるながこういう小説を書くとは思っていなかった。冒頭近くに家族写真が出てくる...記事を見る »
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書評担当者:冬木糸一
ゼロから人間を作る細胞生物学の未来
今回まず紹介したいのは、フィリップ・ボール『人工培養された脳は「誰」なのか 超先端バイオ技術が変える新生命』(桐谷知未訳/原書房)だ。原題は「How To Grow A Human」で、受精した後、...記事を見る »
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書評担当者:大塚真祐子
今村夏子の三つの変身譚『木になった亜沙』
『文藝』二〇二〇年夏号(河出書房新社)には、「アジアの作家は新型コロナ禍にどう向き合うのか」という緊急特集が組まれ、六名の作家が寄稿している。中国を代表する作家のひとりである閻連科は冒頭にこう記す。〈...記事を見る »
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書評担当者:千街晶之
転落中間管理職が裏社会の修羅場を走る!
決められたレールから一度転落したら元には戻れない現代社会。ならば、転落した時はどうすればいいのか......のヒントになるかも知れない小説が、福澤徹三『羊の国のイリヤ』(小学館)である。主人公の入矢...記事を見る »
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書評担当者:大森望
数学の天才と史上最悪の軍師のミリタリースペオペ開幕!
日本でも大ヒットしたアン・レッキー《叛逆航路》に続き、同じ創元SF文庫から同じ赤尾秀子訳(+同じ渡邊利道の解説)で、同じく著者第一長篇となる凝った設定のミリタリースペースオペラが登場した。ユーン・ハ...記事を見る »
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書評担当者:林さかな
力強い声で語られる家族の物語
『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』(ジェスミン・ウォード/石川由美子訳/作品社)は、力強い声で語られる小説。その声を聞いていると、いま毎日定期的に発表される数字につのる不安を忘れ、小説世界にぐんと引っ張...記事を見る »
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書評担当者:小財満
コナリー『レイトショー』の反骨の主人公に喝采!
ロス市警の刑事ハリー・ボッシュのシリーズで知られる巨匠マイクル・コナリーの新作『レイトショー』(古沢嘉通訳/講談社文庫)はロス市警の深夜勤務担当の刑事レネイ・バラードを主人公にした新シリーズの第一作...記事を見る »