新刊めったくたガイド
1978年6月発行の第9号からスタートした「本の雑誌」の看板コーナーが、WEB本の雑誌に登場!
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2020年9月号掲載
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書評担当者:北上次郎
苦しさの奥から力が湧き上がる『全部ゆるせたらいいのに』
なんだか辛い話だ。息苦しくなるような暗い話だ。でも、どんどん読み進んでいくと、その辛く苦しい話のずっと奥の方から静かに少しづつ、力とでも名付けたいものが、ゆっくり浮上してくる。一木けい『全部ゆるせた...記事を見る »
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書評担当者:冬木糸一
『投票権をわれらに』が記す今現在も続く問題
今回まず紹介したいのは、アメリカでマイノリティの投票権を守るため、絶大な効力を発揮してきた投票権法の歴史をひもとくアリ・バーマン『投票権をわれらに 選挙制度をめぐるアメリカの新たな闘い』(秋元由紀訳...記事を見る »
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書評担当者:大塚真祐子
二〇二〇年上半期芥川賞候補作を総まくり!
三島由紀夫賞、山本周五郎賞は感染症拡大の影響を鑑みて、五月の選考を秋に延期したが、芥川賞、直木賞の選考は開始時刻を早めつつ、例年の日程で行われることになった。芥川賞は今回より、現時点では最年少となる...記事を見る »
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書評担当者:千街晶之
芦辺拓『鶴屋南北の殺人』の入れ子構成に唸る!
思えば、もう十年ほど前からだろうか──『このミステリーがすごい!』や『本格ミステリ・ベスト10』の近況欄に、芦辺拓がひとつのタイトルを、原書房から刊行予定として毎年のように記すようになったのは。一向...記事を見る »
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書評担当者:大森望
伝法作品集からアンソロジーまで日本SF短編夏祭りだ!
今月の日本SF界隈で最大の話題は、高山羽根子『首里の馬』★★★★★の芥川賞受賞。中身は大塚真祐子さんのページで紹介されてるので詳述しませんが、資料館とクイズと宮古馬の三題噺(?)から最後に立ち上がっ...記事を見る »
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書評担当者:林さかな
失われつつあった言語で生み出された小説
『アコーディオン弾きの息子』(ベルナルド・アチャガ/金子奈美訳/新潮社)は、バスクの農村部と思われる架空の土地オババを舞台に、そこで育ったダビとヨシェバを中心とした枠物語になっている。 作家として成...記事を見る »
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書評担当者:小財満
上手すぎるほどに上手いC・J・ボックス『発火点』に快哉!
C・J・ボックスにハズレ無し。作者は二〇〇一年のデビュー以来ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットのシリーズをほぼ一年一作ペースで書き続けており、本国では二十長篇を数える長寿シリーズである。この度...記事を見る »
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書評担当者:北上次郎
一瞬の家族の光景を切り取る寺地はるな『水を縫う』
高校生の清澄が言いだして、でもうまくいかなくて、結局は父親の全が仕立てたドレスを、姉の水青が着て、立ち尽くすシーンがある。かわいいものが嫌いだといつも言っていた水青は、童話のお姫様のように気高く、美...記事を見る »
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