担当=牧眞司

アフガニスタンの現実と幻想〜ジャミル・ジャン・コチャイ『きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする』
2025年3月25日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

アフガニスタンの現実と幻想〜ジャミル・ジャン・コチャイ『きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする』
 作者は1992年生まれのアフガニスタン系アメリカ作家。パキスタンの難民キャンプに生まれ、その後カリフォルニアへ移住した。作家活動をはじめたのは2019年である...
この作者ならではのファーストコンタクトSF~林譲治『惑星カザンの桜』
2025年3月18日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

この作者ならではのファーストコンタクトSF~林譲治『惑星カザンの桜』
 日本SF大賞を受賞した『星系出雲の兵站』をはじめ、このところ、複数巻の作品をハヤカワ文庫JAで発表していた林譲治だが、本書は単著としてははじめての創元SF文庫...
団地の暗がりに潜む邪神たち~カリベユウキ『マイ・ゴーストリー・フレンド』
2025年3月11日12:20

【今週はこれを読め! SF編】

団地の暗がりに潜む邪神たち~カリベユウキ『マイ・ゴーストリー・フレンド』
 第十二回ハヤカワSFコンテストは、選考委員のひとり、東浩紀が「今回の最終候補作は過去十二回のなかでもっとも粒が揃っていた」と述べるほどで、選考委員のあいだで推...
グランプリ受賞の十一篇〜『星に届ける物語 日経「星新一賞」受賞作品集』
2025年3月4日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

グランプリ受賞の十一篇〜『星に届ける物語 日経「星新一賞」受賞作品集』
 星新一賞は、現代日本SFのパイオニアにして、現在に至るまで広範な読者に読みつがれている作家、星新一の名を冠した年次の公募新人賞だ。「理系文学」をコンセプトにし...
翻訳の秘術〜R・F・クァン『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』
2025年2月25日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

翻訳の秘術〜R・F・クァン『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』
 R・F・クァンは中国広東省で1996年に生まれ、2000年に家族とともにアメリカに移住。中国研究などの分野でアカデミックな経歴を積むいっぽうで、2018年に長...
赤い霧のなかのサバイバル〜A・J・ライアン『レッドリバー・セブン:ワン・ミッション』
2025年2月18日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

赤い霧のなかのサバイバル〜A・J・ライアン『レッドリバー・セブン:ワン・ミッション』
 目覚めると、そこは船上だった。 あたりに広がるのは、赤い霧が立ちこめる世界。  船にいるのは、六人の生者とひとつの死体(頭に銃弾が撃ちこまれている)。生きてい...
軌道エレベーターをめぐる複雑な情報戦〜デュナ『カウンターウェイト』
2025年2月11日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

軌道エレベーターをめぐる複雑な情報戦〜デュナ『カウンターウェイト』
 デュナは1990年代より活躍をつづけ、いまでは韓国SFを代表する作家と目されている。個人情報をいっさい公表しない覆面作家だ。  本書は2021年に発表されたア...
羊に変身する一族の歴史と、それを見送るわたくし〜犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』
2025年2月4日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

羊に変身する一族の歴史と、それを見送るわたくし〜犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』
 第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作(前回この欄で取りあげたカスガ『コミケへの聖歌』との同時受賞)。帯の惹句には「アンドロイドは人間羊の夢を見るか?」--...
ディストピアの彼方にある〈コミケ〉〜カスガ『コミケへの聖歌』
2025年1月28日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

ディストピアの彼方にある〈コミケ〉〜カスガ『コミケへの聖歌』
 第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作(犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』との同時受賞)。ポストアポカリプスSFにして、四人の少女による部活小説だ。  二十一世...
『星を継ぐもの』シリーズ最終巻〜ジェイムズ・P・ホーガン『ミネルヴァ計画』
2025年1月21日11:30

【今週はこれを読め! SF編】

『星を継ぐもの』シリーズ最終巻〜ジェイムズ・P・ホーガン『ミネルヴァ計画』
 ジェイムズ・P・ホーガンの代表作『星を継ぐもの』は、月面で発見された五万年前の死体(真紅の宇宙服を着けている)の謎から開幕し、壮大な人類史が立ちあがるSFミス...