ジェイムズ・P・ホーガン死去
文=大森望
日本でも人気の高い英国のハードSF作家、ジェイムズ・P・ホーガンが、7月12日の朝(現地アイルランド時間)、世を去ったと、長男のアレックス・ホーガン氏から関係者に伝えられた。享年69。
ジェイムズ・パトリック・ホーガン(James Patrick Hogan)は、1941年6月27日、ロンドン生まれ。
"5万年のアリバイ崩し"(堀晃)と評された1977年発表の第一長編『星を継ぐもの』で一世を風靡し、1981年の星雲賞を受賞した(1982年には『創世記機械』、1994年には『内なる宇宙』で、同じく星雲賞海外長編部門を受賞している。いずれも創元SF文庫刊)。
1986年には、大阪で開かれた第25回日本SF大会(DAICON5)に参加するために来日。夜ごと新宿ゴールデン街をひとりで飲み歩くなど、豪快な飲みっぷりと冗談好きの人柄で日本のファンにも愛された。
その他の作品に、『造物主(ライフメーカー)の掟』、『揺籃の星』(以上、創元SF文庫)、『プロテウス・オペレーション』、『断絶への航海』(以上、ハヤカワ文庫SF)など。
(大森望)