水嶋ヒロ、小説新人賞で賞金2000万円
文=大森望
小説新人賞史上最高額の賞金と言えば、ポプラ社小説大賞の大賞賞金2000万円。
第1回こそ方波見大志『削除ボーイズ0326』が大賞を受賞して2000万円を射止めたものの、以降は3年連続で大賞受賞作なし。同賞応募作から小川糸『食堂かたつむり』という大ベストセラーが生まれたのを別にすると、最近では、話題にのぼることもめっきり少なくなっていたが、31日に発表された第5回の同賞は、4年ぶりに大賞が出た(http://www.poplar.co.jp/taishou/5th/index.html)。
応募1285作品から栄えある大賞受賞作に選ばれたのは、齋藤智裕(東京都在住・26歳)の「KAGEROU」。
史上2人目の2000万円獲得----というだけでも話題性じゅうぶんだが、受賞作の発表直後から、受賞者が俳優(現在は活動休止中)の水嶋ヒロではないかと、ネット上で話題騒然。一夜明けて、スポーツ紙各紙が「水嶋ヒロ、小説大賞受賞!」と一面で報じ、テレビは朝から大騒動になった。
水嶋ヒロは、「仮面ライダーカブト」の天道総司役や「メイちゃんの執事」の柴田理人役などで知られる人気俳優だったが、2010年9月20日に所属事務所の研音を退社。事務所サイドは「執筆活動に専念するため」などと説明していた。
注目の受賞会見は、11月1日午後2時から、ポプラ社本社1階ホールで行われる予定。
なお、特別賞(賞金50万円)は古内一絵(東京都・44歳)「銀色のマーメイド」と、浜口倫太郎(大阪府・31歳)「アゲイン」の2作が受賞。奨励賞に、東朔水(26歳)「仁侠ダディ」と中山良太(22歳)「龍へ向かう」が選ばれた。
また、「ポプラ社小説大賞」は今回でいったん休止。新たに来年から、賞金200万円の「ポプラ社小説新人賞」をはじめるという(http://www.poplar.co.jp/taishou/apply/index.html)。賞金額がいきなり10分の1になってしまうわけで、齋藤智裕氏は最後2000万円獲得者となる。
(大森望)