連載第9回 4月その2
4月7日(日)
午前中に元バイト(一年ほど前のティーンズモノ担当)の来店。
ついでなので、一緒に島田雅彦様の自宅内滑り棒写真(河出の文藝最新号)によろこんだり、講談社ノベルス「世界は密室でできている」舞城王太郎(装丁どうですか?)などをチェック。
彼女はこのあと本屋巡りとのこと。ついていきたかったなぁ。
「ベラベラブック」は売切れで大騒ぎ。
4月8日(月)
午後から出版社の新人研修の方がいらっしゃるとのことで、午前中にこれからの新刊の確認やら、注文やらを。
五月に文春よりヒキタクニオ「ベリィ・タルト」刊の文字を確認。なんだよなー、かわいいよなー。
あと来月には村上龍の「希望の国のエクソダス」も文春文庫入りのようです。
月日のたつのが早いのか? 文庫化が早いのか?
新刊は全集モノ多し。
今号「スタジオボイス」誌は「ファンタジア150」と題していろいろ紹介。読みでがあります。ちゃんとデビィッド・ボウイの「ラビリンス」ものってます。
4月9日(火)
今日は版元研修の方が三人に!って私も研修してもらいたいなと痛烈に思う。
学研M文庫と双葉文庫の新刊。研修生から「配本システムってどうですか?」などと質問され、うぐぐっと。
帰り「世界の終わり、あるいは始まり」(歌野晶午・角川)と「軽いめまい」(金井美恵子・講談社文庫)を交互に読みながら帰る。
郊外在住主婦的セレクションとちょっとご満悦。
4月10日(水)
文春文庫新刊。今月は豪華な気が。松尾スズキとはりきって仕入れた分売れてくれよ。
先月新刊のジョー・R・ランズデール「テキサスナイトランナーズ」が返品箱に入ってたので、あわてて回収。
文庫アルバイトとの`何を粘って売る`などの意志の疎通がまだちょっとむずかしい。「名前がかっこいいからとっとけ」というのは指示として有効なんだろうか。
新刊に丸山健二の「夕庭」朝日新聞。丸山健二の庭の写真集。きれいです。
4月11日(木)
休み。大掃除をする。なぜだか玄関付近の配線がショート。
4月12日(金)
朝、すごい荷物でびっくり。補充が週の後半に集中するのだが、今週はますます。
しかし、待っていた文庫のフェアセットが何社分かと平積み用の注文品が多いので多いながらもホッとする。
夜、別の書店の方の送別会に潜入。ここんとこ、そこに行けば何か欲しい本が見つかるといった棚を作ってらっしゃる方だったので何故やめちゃうのか知りたかったのですが、まあ、ね。
また、どっかで目的もなく入った本屋で「やばい、一冊買わないと出れないよ、この店」なんて気持ちになりたいものだと思いながら帰宅。
4月13日(土)
4月に入ってから、少し暇だったのですが、だんだん忙しくなってきました。
新学期らしく、問い合わせも増加中。
岩波文庫が目を離すとガタガタになるのでうれしい悲鳴。
都会の真ん中の本屋だと、どこの学校にも対応しなきゃならないから大変だと今更です。(って5年目にしてようやくお客さんがついてきたのか?)
なんて言ってたら、閉店後、2Fと3F(語学と理工)との売上金格差、2.5倍なのが判明。
取り扱っている本が違うって言ったらそれまでですが、なんだかなー。