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連載第35回 3月

〔3月あれこれ〕

 いやー、また日があいてしまいましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
私は最近、どうにもこうにも心の余裕が取れないもので、毎日、シャー、フシャーなどと言った擬音が口から漏れているこの頃です。心の平安が欲しくてとうとう、禁断の(長くて読むのに時間がかかる上にまだ完結してないなんて!)「はじめの一歩」(マンガ)に手を出してしまいました。鷹村さんは強くてかっこいいですニャー。

ってな具合なのですが、ここ一ヶ月に何があったかというと
1.3月末と思っていた棚卸しが3月の第二週に。ウゲー人と時間がないにも程があるとびっくりしながらも、大急ぎで準備。(主に過剰在庫整理、あと、泣くほど嬉しい岩波文庫常備取替などなど)
2.棚卸し直前の週末に京都一泊二日旅行を予定していたので、もうどうしょもないから京都へ。雪が降ってて寒かったです。あと、初ブックファースト京都店を偵察、隣の芝は青く見えるものですが、文芸文庫と文学評論の単行本が混在してる棚など素敵にきらめいて見えました。同じ本でも並べ方次第ですね、と当たり前なことを実感。
3.そんな、こんなでいざ棚卸しと思ったら、旦那が風邪に。この時とばかりに、部屋の掃除やら、雑誌捨てろとか、帰宅の遅さについてとか、いろいろ注文をつけてくる旦那……。弱ってるからって……。
4.棚卸しも無事終了し、ホッとひと息。人がいないのもあって、棚の補充や、平積みの取替えといった基本業務をバリバリとこなし(早川文庫の前にカート・ヴォネガット全点積んじゃえ、とか)「私って有能」と悦に入っていたところ、辞令が。
文庫担当もして、売場もマワして、2Fと5Fのチーフって、一体何をするのでしょうか?何ができるのでしょうか?
5.で、隣の家が火事。(バケツで水かけたりしたんですけど、フライパンで水かけてる人がいましたよ。さすが、火事場)

なんて感じでございましたよ。フヘー。

〔接客あれこれ〕

☆ちょっと困る問い合わせに「お取次式」なモノがございます。どういったものかというと、本を探しているご本人ではなく一緒にいらっしゃる方が問い合わせをしてこられる、なんて場合です。本を探して、さあ渡そうなんて時、どっちに渡していいものやら。
それに、時々「いいの、そんなに一生懸命探してないから」なんて、二人の間の意思疎通がズレて喧嘩が始まったりしてね。そんな時どんな顔して待っていればいのか、悩ましい限りです。

☆先日、「本はどこで買ってくれるのですか?」と売場で質問をされました。一体、この人は何を?と疑問符だらけになりながら見ると、両手に本の入った紙袋を抱えていらっしゃり、「買取はここですか?」と更に。どうも古本屋と間違えている御様子。一応「ここは新しい本しか売ってませんよ」と言ってみたんですが、「えっ?」なんておっしゃてて、よくわかってらっしゃらないようで、なんだかなぁと。

〔その他、あれこれ〕

 ちょっと前にソロ・アルバムが発売になった、アメリカ人歌手レット・ミラー。シングル曲のビデオ・クリップもバス停でソワソワしたり、ボンヤリしたりとなかなか素敵な感じの一人で歌って、ギターも弾いてな32才・男性。歌詞カードを見ると、ドン・デリーロがどうのとか僕の彼女は化学教師~(すいません、これはウロ覚え。確かそんなことを歌ってたハズ)と読書好きの心をキュッとさせるようなフレーズがたっぷりで最近夢中なのです。
フィガロ誌の4/5号にインタビュー記事によると、小説家も目指してるとのこと。

 ようやく出た、オサレっ子雑誌「プチグラ7号」。先月、近所の文学館で展示されてたのを見て以来、急遽盛り上がりを見せていた、武井武雄の豆本のミニ特集が。なんて、古本屋で一万円近い値で取引されてるんですもの、今さら何を?な方もいらっしゃいますでしょうが、豆本をしまう箱の名前が「本の城」ってトコにしびれ中。

 ぴあ発行の新雑誌「Invitation」。書評ページがなかなかゴージャス。
2号も永江朗氏が「阿修羅ガール」、新元良一さんがリン・ティルマンの「ブックストア」を豊崎社長が「驚異の発明家の形見函」をと豪華です。
ところで、「驚異の~」ようやく読み始めたのですが、なんか「からくりサーカス」

(マンガ)などと思ってしまって、やっぱり疲れているのかも、と思った次第です。

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