連載第36回 4月
〔業務報告〕
最近、チーフ業の一環として閉店業務をしています。返品、注文、売上、その他のデータを送信して電気やエアコンを消して帰るのです。まだまだ、手際が悪く、終電近くなることもしばしば。慣れて素早く出来る日がくるのを祈る毎日です。
しかし、思い返してみれば、どちらかと言えば、ボンヤリ&鈍くさい方の私。前の職場でも今の職場でも、気づくと皆が当たり前に出来ている業務(たとえば、両替とか、カバーの紙のある場所・その注文方法とか、一番に店に着いた時どうすると入店できるかとかとか)をちっとも理解してない、なんてことばかりでした。いつだって「何でこんなことも、知らないの?」と自分でもギョッとしながら、コソコソと確認したり、澄ました顔して人の真似をして乗り切ってみたりと綱渡りしてたモノです。(ここいらへんは、やはりボンヤリちゃんだった学生時代に培った技)
そんな私が、あんなビルの店を一人で閉めて帰るんですから、何だか隔世の感が。というか、必要以上に大丈夫なのかしら?とオロオロしている日々なのですよ。(よく、家の電気を消し忘れて外出して、怒られているので、余計に)
と、一人でオロオロしているのも何なので、仕入れから銀座店開店準備チームに異動になった後輩のH嬢と帰りにサラリーマンらしく酒場へ。私以上にパニックになっている姿を見て、ちょっと自分に自信をつけました。でもチェーン居酒屋で1800円って、他に行くところがあるような気も。(いえ、財布に1000円しかなかった私が悪いのですよ)
〔最近目に付いた新刊〕晃洋書房「ドイツ体操祭」、新刊のリストで見ただけですが名前が気になって。
角川からはちょっと大人な絵本シリーズが。
黒木瞳(帯)、姫野カオルコ(文)×木村タカヒロ(絵)「ボヴァリー夫人」
緒川たまき(帯)、小川洋子(文)×中村幸子(絵)「はつ恋」
竹中尚人(帯)、原田宗典(文)×荒井良二(絵)「河童」
といかんなくな角川人選。
小学館の「日本妖怪学大全」、内容は非常に堅いのですが帯に「あふれ出る妖怪への熱い思い」とあり、ちょっとおかしかったです。
〔宮部みゆき電話〕
先日、電話問い合わせで「宮部みゆきの新刊はありますか?」とあり、よく確認すると「ブレイブ・ストーリー」の事だったので「そりゃ、たくさんありますよ」なんて返事をしたのです。通常はそこで、取り置きになったりするのですが、お客さまったら「どんな内容」とお聞きになるものですから、はりきって「少年たちが、冒険して~」と答えると一言、「ファンタジーなんでしょ?」と。
やっぱり、宮部みゆきはミステリーのを読みたいのか~と問い合わせでお客さまが確認したかった意図を思ったのですが、なんだか引くに引けなく「ハラハラドキドキですよ」などと必要以上に売り込んでみました。まだ、半分も読んでないくせにね。
〔最近の一枚〕
めっきりレコード屋にも近寄らなくなっている昨今ですが、ダンナのおつかいで入ったレコ屋でthe essex greenの新譜を発見。もう、男女混成バンドのギターでポップだとか、たくさん持ってるんだから、必要ないでしょ?と自分に言い聞かせてみるも、タイトルの「the long goodbye」にやられて購入。小説タイトルはずるいよな、と思いました。