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連載第46回


11月病院アレコレ

父が入院しました。夏頃から実家の家族と交わした会話を総合(ちょっと喉の調子が悪いみたい、検査に引っかかってなどなどの)すると、ああ納得!な出来事だったのですが、やはり実際そうと決まるのはへこみ方が違うものです。

親である以上、子どもである私より早く弱っていくなんてことは当たり前と思ってはいても具体的に何か起こるまでちっとも真剣に考えられてなかったなぁ、などと自分のダメ娘歴を振り返り、取り返しのつかなさにぞっと。でも、入院中の父にできることったら、病室に『はじめの一歩』でも持ってくか(入院期間長いし)なんてことしか浮かばないんですから、なんだかなんだかでございます。

なんてしてたら、父の方から本持ってこいの指定有。それくらいは当てにして下さってるんですね、お父様、と内容聞いたら連城三起彦に歌野正午って朝日新聞の紹介記事かい。しかし、絶賛健康食品&健康グッズ大はまり中の母のことを考えると『葉桜の季節に君を思う』を渡すに二の足を踏んでしまいました。(使えない娘)しかも、持っていった『憤怒』新潮文庫と『半身』創元文庫は「カタカナの名前覚えらんないよ」と途中で諦めてるし。この根性なし。(と本人には言えない)

病院アレコレ

☆病室番号だけ聞いて向かった初日。御茶ノ水駅の真っ正面という迷いようもない場所にも関わらず、入口が発見できず迷う。迫る面会時間終了時刻に軽くパニックを起こしながら、ようやく見つけた鍵のあいた入口の中は人気がなく非常にマズイ空気が。
キョロキョロしつつ見つけたのは『遺族控え室』の文字で、久しぶりにウェ--ンと声を上げて走ってしまいました。(前回は毛虫踏んだかなにかでの大学時代ではないかと)

☆帰りに母と食事をした際のこと。隣の女の人二人がどうも耳に入ってくるような馴染みのある話をしている。2レジが、問い合わせがどうのとの単語を聞き耳を立てて拾っていたら、医学書と雑誌という決定的な単語が。やはり、本屋の二人だな、と勝手に納得。ようやく落ち着いて食事が出来ました。

☆父の手術後、切り取った部位を見せてもらう。5×15センチくらい長方形の肉片、円筒型を開くとこの大きさだ、なんて当たり前の事を思う。部屋の入口にはバイオハザードの文字有。

☆そんなこんなで、11月前半はお茶の水通い。神保町祭りもダンナ誕生日おめでとう上海蟹祭り(岩波のビル前当たりの中華料理屋)も‘予定していたこと’なんですが、病院のための行事のような気がしてしまいました。というか、この後ずっと、お茶の水は父の手術と切って離せない場所になるのだなぁ、などと。

で、ダンナも入院。高熱下がらず、過労か何か。もう中年ね、と思った途端、原因を特定するための検査アレコレが恐ろしく感じられ、悪い想像ばかりが働きます。

ましてや、本屋店頭には様々な闘病記が並んでるものですから~あう~。
丁度、入院となった週にポプラ社から出た『31歳ガン漂流』奥山貴宏著なんて「11/5の31歳の誕生日から一週間後に病院に入院したら、肺ガンが判明」って、ウチのダンナ11/6に31歳ですよ。あうあう~。

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