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第8回:~潜入!本屋大賞☆受賞式 ~

 受賞作が決まってからスグ、本当に信じられないくらいザクザクと受賞の本が売れ始めた業界注目の本屋大賞受賞式。当日はもちろん仕事で、6時に新宿を出れば間に合うはずがその日はお店が夕方から凄く混んでいてレジを手伝い、ちょびっと遅刻をしてしまいました。あせる気持ちと駅から少し離れた会場なのとが混ざり合い道に迷っいぎみの所をクリーニング屋さんに道案内をしてもらい無事到着。出版関係パーティの受付は結婚式の受付を3倍くらい大きくした感じです。長机の向こう側に招待状を出すの。用意していた名刺を記帳の変わりに渡して、もう一枚の名刺を渡された名札ケースに入れて身に着けます。
「書店様」と書かれた受付ブースには頭の回転が速そうな快活そうな美女が二人。どうもどうも~と挨拶も忙しく、あわてて会場にGO!…と思いきや、入れません!! 会場の入り口から人が溢れてます。受付で渡された式の流れのパンフレットを見ると今まさに受賞の式が始まった所のようで、皆さん入り口から右手のステージ壇上に向かって耳と目を向け聞き入っている様子。50坪位の縦長スペースに男性8割女性2割、ギュウギュウよ。
 
 男性は35歳~45歳位の上品な方が多く、女性は20代がほとんどに見えます。多分男性は書店員1割、出版社の編集さん4割、営業さん2割、ライターさんなどの業界関係者3割、ってトコでしょうか。スーツの着方が明らかに違うので分かります。書店員さんは一番スーツに慣れていない感じで若く見え、編集さんは髪型がお洒落系、営業さんはピシッっとした感じ、業界関係者は一様に派手なブラウスを着ているんです。女性陣は黒を基調に白やブルー系のシルクっぽい上品なヨソイキの方が多いですね。サスガ皆さん場を分かっているな~と関心。こういったパーティを兼ねたお式には女性はスーツでは地味ですし、あまり派手な格好でもフォーマルさは逆に消えてしまいます。名刺入れのバックや靴などを含め、私は着ていく服に毎回凄く悩むので、一生懸命周りを観察しつつ勉強して帰ろう、なんて密かに思ったり。ちなみに会場はスラリとした美女多し。(私の黒に手のひら大の真っ赤な苺が散ったワンピースは悪目立ち気味 ハハハ…)
  
 壇上のお話を聞きつつ一歩一歩と蟹歩きで中に入って行きました。普通こういった会は後ろの方は集中力が切れ飲んだり食べたり、ざわついてるものですが 100人以上いるお客様の全員がお式に注目しています。その一体感は全員がこの本屋大賞を大切に思っているようで「らしいな」と感じました。皆さんの手元にある「本の雑誌」の本体からにじみ出る暖かさと同じ雰囲気ですよ。壇上のこの大賞に向けてのお話は大変聞き応えがあり、テープレコーダーでこっそり隠し撮りをすれば良かったと思いました。店長ほかスタッフに聞かせて上げたかったです。特に受賞なさった小川先生の受賞のコメントに涙がジワリ。お祝いの席では泣かないようにしてるので我慢我慢。でも先生の語り口調がまた静かでいて力強く、とても上質なカスタードクリームのような優しげな感じで、こらえてもちょっと泣いてしまいました。文章だけでなく語っても感動させられてしまうのね(笑)降参です。お式の最後に書店が集められ壇上で先生と記念撮影。マスコミの方々が大勢いてフラッシュの嵐でした。凄かったぁ。
  
 無事授賞式が終わった後は自由歓談のお時間です。私はコミック担当で文芸書エリアの集まりには慣れていないので、知り合いがいないかなと思っていたら いやいや結構いましたよ。そういえば本屋大賞の応募の条件は「書店員であること」でしたね。本当に本が好きな方はジャンルに関係なくバッチリ参加していたようです。「ちくしょ~何で私は書店員じゃないのっ! こんなに参加したいのにっ」という本の雑誌読者の方は今から来年の本屋大賞に向けて本屋に働きに行きましょう。それが無理ならお近くの本屋さんに通い、書店員と仲良くなり応募の時期が来たら自分のオススメの本をその書店員に読ませて虜にして「いいよね~いいよね~応募してみれば?」と推薦を推薦する。なんていかがでしょうか?
  
 会場には直径60cmくらいの背の低い丸テーブルが何個か置いてありビールやワインや食事をしながら歓談できるようになってます。会場の後ろのほうには豪華な食事がズラリ。正直、こんなに大規模なパーティだと思っていませんでした。一口大のサンドイッチ、柔らかな煮込み系の牛肉が山盛り、パスタ、ピラフが何種類か、ソテーしたホタテなど魚介類、山盛りのシーザーサラダ、中華が何品か、各種フルーツの盛り合わせ、ケーキも沢山、スープに和風のお蕎麦、など それぞれが銀の立食パーティ用の超大皿に乗って並んでいました。何を食べても美味しかったです!(料理名が分からなくても美味しいものは美味しい)しばしダイエットを忘れ笑顔で食べまくってしまいました。どこかのホテルのお料理ですね アレはきっと。
  
 クルクルクルとワルツを踊る人形のようにお名刺交換をしていると 杉江さん発見!珍しい漆黒のスーツで(営業の時は淡い色のスーツの印象が強い)耳には連絡用のイヤホンを付けてます。次々と色々な方とのご挨拶に腰が折れんばかりにお辞儀をしているのですが、その眼は血走り、瞳孔が開いていました。今にもレッズコールがその口から飛び出しそうな真剣で熱い表情。物凄く頑張ったんだな~と企画段階からお話を伺っていたのでそのご苦労を感じました。「永嶋さん、大変だったけど、また来年もやるから。絶対やるから」とすれ違うような挨拶の間にも熱き誓いを聞きましたよ! 来年は何か私もお手伝いさせて下さい。がんばりまっす。
  
 あっという間にお時間が過ぎ退場の時へ。帰りの電車の中でお土産にもらった本の雑誌の本屋大賞の増刊号を読みながら、まだ読んでいない推薦本に印を付けていきました。

 そうそう会場には壁際にズラリとノミネートされた本が並んでいて、推薦POPも付いていて楽しかったです。名作本も文庫ではなくハードカバーで並び、手に入りにくいものは図書館から借りて用意してくれたみたいです。そんな心意気にニヤリ☆
 一回目のノミネート作品を読み返しつつ、次回の推薦作にめぐりあうべく、新しい本をジャンジャン読みましょう!本を読んでなんぼ、な書店員生活に又あらたな張り合いが出て参りました。

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