第16回：
不思議の国からこんにちは。ワンダーランド・リエコです♪ 少女椿ばりの自己紹介が新宿の書店員には似合う今日この頃。（詳しくは前回のコラムをご覧下さい）
青山ブックセンターのあとには、まるまる阪急ブックファーストさんが入るようですね。２店舗合わせて500坪。元青山のスタッフも多数こちらが雇用したそうです。一応ハッピーエンド？と思わせて、実は大人の事情が色々絡む出来事です。10月のジュンク堂新宿OPENと合わせて、取次ぎ会社の「大阪屋」さんは大忙し。サスガに神戸の大震災を乗りきった猛者☆根性が入ってるなと感じました。ちなみに＜モンスター紀伊国屋＞は日販。ワタクシの山下書店はトーハン。新宿大抗争は書店同士という事以上に取次ぎさんの戦いでもあるのです。
そんな大人の事情に胃をキリキリさせていた所に神様からプレゼントが届きました。なんと、心のバイブル「バッテリー」のあさのあつこ先生がご来店！！
丁度、新人のアルバイトさんのお世話をしていた所だったので３００％パニック状態だったのですが、素晴らしい一時を味合わせていただきました。角川の文庫の仕掛け人のお姉様が連れてきてくださって、ぶっちゃけ先生の勢いに圧倒されまくりでした。角川のＯ山女史はしっとりとした色気漂う方で、ゆるやかなロングウエーブが似合う菖蒲の花の佇まいの方。あさの先生はそれとは対照的にアクティブな感じで、スリムなジーンズが凄くよく似合っています。様々なメディアに露出しているお写真とは印象が随分違って、最初はご本人と全然分からなかったですよ！ あれらは「文学少女風」だとか…。その計算された遊び心と余裕に益々「ついて行きます」という気持ちになりました。絶対先生若すぎ！ ずるいーーー
時間がなくって、サイン本とかおねだり出来なかったのですが、わがミーハー心に掛けて「記念写真」を先生と一緒に撮っていただきました。あ～リエコ、一歩後ろに下がっとけば良かったな…先生、顔 ちっちゃい。遠近感がめちゃくちゃですよ(笑)。とは言え、Ｏ山女史のおはからいで、あさの先生の直筆サイン色紙を頂きました!! ８月いっぴで、売り場にUPしますね～。青空模様で素敵なの。先生のコメントもファンならドキドキしてしまうでしょう。
バッテリーコーナーは増殖しながら大展開中です。派手派手な私のコミックコーナーで、初老の紳士がじっくりバッテリーコーナーを楽しんでいただいてるお姿を後ろから見てニンマリ。売り場に飾っている過去のインタビューの載った雑誌もバックナンバーでご用意しています。タイトルによっては品切れして、再度注文を出しているものもあって嬉しいです。ヒートアップですよっ。バッテリーは夏が似合いますね。
もう一つ、嬉しい事が。漫画情報誌の「ぱふ」さんに夏のコミケ特集号に新宿エリアとして載せていただきました。ほんの小さくですが、凄い嬉しかったデス。「コミケ」というのは全国の漫画大好き人間が年に２度集う祭典です。一般的に本屋に並ぶ「商業誌」とは別の、個人発行の「同人誌」を売り買いする所。この「同人誌」を侮ってはいけません。「好きこそモノの上手なれ」という言葉があるようにパワーがみなぎっている市場でもあります。専門がコミック担当なのでこの「コミケ」特集に取り上げて頂きやっと一人前になれたような気がしました。
その「コミケ」（正式名称：コミックマーケット）で今年の夏、ブレイク間違いなし！なのが「大きく振りかぶって」講談社、ひぐちアサ著 です。講談社の青年誌に連載の野球漫画ですが心意気がバッテリーと似ていて、漫画好きの女性に非常に受けてますね。ウチの店ではほぼ95％女性支持により100冊を軽く越えました。出版社さんにこの事を伝えると、今までのマーケティングの路線と違う意外な反応にものすごく驚いていました。もうスグ２巻が出ます。野球漫画大好きさんは要注意ですよ。実はこの「大きく振りかぶって」もバッテリーコーナーに、ほんの少し置いてます。来店する業界関係者が「ながしまさ～ん、あの二つを一緒に展開してるのが個人的に好きだよ」と口々にコメントするのが面白いです。皆さんブレイク前のものに敏感ですね。気が付いてくれたことに私的に感謝。
ちいさな遊びを盛り込みつつ「ナンデモナイ日おめでとう」とアリスばりに楽しみましょう。同じディズニー繋がりで「風の強い日おめでとう」（byクマのプーさん）でもいいですね。強風に煽られながら、本当に本屋に必要なことは何か？を模索中のちょっと年をとったアリスです。