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第25回:~お嬢、新宿を去る~


 転職します。山下を辞めます。

 やっぱり、と思いました?
 えっウソ~、と思いました?
 フウン、そうなんだ(興味なし)って感じですか?

 11月の末の山下書店新宿本店の閉店を待たずして、「イーエスブックス」(Yahoo!の本のサイト)というインターネット書店に転職します。セブンイレブンで受け取れば送料無料…とTVのCMが印象的な会社です。

 転職活動は正直苦しかったですよ。でも実は凄い楽しかった。
 経済が不安定な中、男も女も自己の可能性を信じて様々な「転職」を試みるのは自然な姿なのでしょう。お給金のUPのため、雇用形態の改善のため、自分のやりがいのため、というような転職マガジンを今まで沢山沢山売ってきました。まさか真剣にその本を買う日が自分にくるとは!
 
 私は他のスタッフと少々違い、山下書店の「新宿本店コミック専門」として先代社長に雇用していただきました。ここが「コミックのながしま」の活力にもなっていたのです。その後、色々いろいろなオリジナルフェアを出版社さんの助けを借りつつ構築してきました。本当に思う存分、POPでもフェアでも販促でも頑張ってきたの。でもコチラの文章含めコミックだけでなく自分の枠を広げたいな、と思ったのが去年の冬ごろ。今年の春には“転職”という芽は育っていたのかもしれません。
 寝耳に水!な山下本店閉店の知らせを受け、真っ白な私にしばらくしてから山下博史社長から頂いた言葉。私は一生忘れないと思います。
「…もちろん、山下としてはながしまさんに残って欲しいとは思います…。でも、もし他に貴女がやりたい事があればそちらにチャレンジしてくれて良いですよ。その時には“貴女が一番良い形”で転職してください。山下も僕も応援します。それだけのことを貴女は山下にやってくれたからね。でも,でもね、もし辛くなったら、いつでも戻ってきていいんだよ。全然かまわないからね。それだけは覚えておいてください」

 嬉しかった。心にしみてくる言葉でした。
 転職を引き止めるための雇用状態の改善や昇給などより、まさに 私の大好きな山下の社風を表している言葉でした。それから山下で頑張ってきた自分に胸を張って転職活動を開始!
 やると決めたからには全力投球です。転職希望の意思を表明してから程なく、とてつもなく良いお誘いを受けて恐縮したりして。また、別の会社にエントリーして面接にも行きました。何軒か精力的にね。そのたびに面接、履歴書書き、職務経歴書書き、ライター業のプロフィール作り、面接~の繰り返し。通常業務と平行しての活動はなかなかハードでしたね。でも地元の友達が励ましてくれたりして大変ながら有意義な時間だったと感じています。転職活動中にも、人は成長するのです。とある会社の不合格をきっかけに、自分が本当に何をやりたいか?を考えるようになりました。今まで自分が望んでいた雇用条件とは180度とは言いませんが、45度くらい変わったかな。そしてまた良く考えて、改めて自分がどうしたいか向き合ってみたのです。一番最初に声を掛けていただいた会社(書店)は破格の雇用条件を提示してくれて、かつ私が納得するまで待つと言ってくれました。その人情の熱さ。山下に通じるものがあります。私の母もコチラの会社をいたくお気に入り。対する、熟考した結果リエコさんが気になるのは“これから”の業種のNET書店。こうなると 全てを受け入れてくれる方を取るか? 未知の世界に飛び込むか? 究極の選択ですね。

 そして、私はNET書店を選びました。血を吐くほどのプレッシャーの中で面接をし、合格のお声を頂きました。 
 
 これからどんな道を歩み、どう生きていくかは分かりません。突き進むのみ!です。先のことを考えると心臓がバクバクしてきます。でも、自分で選んで歩いてきた事なので人のせいや状況のせいにはしないで、精一杯頑張っていきたいなと思っています。
 
 この連載もね、正直、続けられるか分かりません(私の意志は続けたいのですが)。
 いまだ 不安定なまま★ 続けられる限り魂込めますんでよろしくお願いいたします!!
 
 山下のね、最後の日まで勤務できなくなってしまいました。それだけが心残りです。本当に出来る限り…粘りたかったのですが。
 
 11月から、リエコさんは新宿を離れます。新たな勤務地は「神保町」THE本の町。
 鬼と出るか蛇と出るか? 
 15%の期待と85%の不安を抱えて眠りにつく今日の夜なのです。

(連載はまだ続く~。「実録、これが転職活動だ!」(予定)です。しばらくお付き合いのほどをよろしくお願いいたします)

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