国立国会図書館、デジタル化資料の図書館への限定送信を再来年から開始へ
文=新文化編集部
12月10日、国立国会図書館と書協・雑協・日本文藝家協会などの関係者協議会は、国会図書館のデジタル化資料の図書館などへの限定送信に関して合意した。来年1月から送信資料の調査やシステム整備を行い、2014年に運用を開始する予定。
送信対象候補は、①図書=戦前の資料と現在一般市場で入手困難な戦後の資料(漫画は取扱いを保留)、②雑誌=官庁が出版する雑誌や、著作権管理事業者により著作権が管理されていない資料(商業出版に関わる資料は取扱いを保留)、③博士論文=出版されていないものなど。
現在、国会図書館は所蔵資料のうち216万5000冊をデジタル化済み。今回、送信対象となるのはそのうち入手困難な資料に限定する。そのため、入手可能性調査を実施し、調査後にタイトルなどを公表。当該資料が流通している場合や出版計画がある場合には、出版者らは除外を申し出ることができる。
今回の件に関して、業界関係者のなかには「今後、送信対象範囲の拡大の方向へ世論が傾くことも想定される」と懸念する向きもある。