第148回芥川賞に黒田夏子さん「abさんご」、直木賞に朝井リョウ氏『何者』(新潮社)、安部龍太郎『等伯』(日本経済新聞出版社)
文・写真=新文化編集部
- 安部龍太郎、朝井リョウ氏、黒田夏子の各氏(左から)
1月16日、東京・中央区の「新喜楽」で選考会が行われ、決定した。
芥川賞の黒田さんは75歳。同賞の最高齢での受賞となった。昨年、受賞作の「abさんご」で第24回早稲田文学新人賞を受賞しデビュー。全編横書きで書かれた形式も話題になった。「若い人の邪魔になっていけないと思っていたが、他の多くの隠されている作品を見つけるきっかけになるならばと受賞させていただいた。生きているうちに見つけてくれてありがとうございました」と述べた。受賞作は1月18日に文藝春秋から初版8000部で発売される。受賞をうけ6万部の増刷も決まった。黒田さんが1963年に読売短編小説賞を受賞した「毬」など短編3作も収録される。
直木賞の朝井さんは23歳で、戦後以降で同賞の最年少での受賞。早稲田大学在学中に、『桐島、部活やめるってよ』(集英社)で小説すばる新人賞を受賞。同作は映画化もされた。
安部さんは1994年の『彷徨える帝』(新潮社)で候補に上がっていた。19年ぶり2回目のノミネートで射止めた。