第150回「芥川・直木賞」決まる
文・写真=新文化編集部
- ピースサインで受賞を喜ぶ姫野氏(左)と朝井氏
1月16日、芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が東京・築地の新喜楽で行われ、芥川賞に小山田浩子氏の「穴」(新潮9月号)、直木賞に朝井まかて氏の『恋歌』(講談社)、姫野カオルコ氏の『昭和の犬』(幻冬舎)が選ばれた。
小山田氏は2010年、『工場』で第42回新潮新人賞を受賞しデビュー。受賞作は、書下ろし短編「ゆきの宿」ほか1篇を合わせて刊行する。取次搬入日は1月22日。初版部数は5万部。
時代小説作家、朝井氏は初候補で射止めた。「この賞の重みはこれからじわじわしみてくるだろうが、今夜だけは存分に喜びにひたりたい」と語った。また、ペンネームの由来である亡き祖母にむけて「これから新たに出発するよ。やれるだけやってみるよ」とメッセージを送った。
姫野氏は初めてのノミネートから17年、通算5回目で受賞した。会見にはジムでストレッチ中に受賞の電話を受けたとのことで、上下ジャージ姿で登場。「ノミネートはアーティストとして嬉しいが、受賞すると本が売れるのでビジネスマンとして嬉しい」とユーモアを交えて話した。今回の受賞を受けて10万部を決めた。贈賞式は2月下旬に都内で行う。