地方出版社の文芸誌から17年ぶり芥川賞候補作
文=新文化編集部
6月20日、日本文学振興会は第155回「芥川賞・直木賞」の候補作を発表。芥川賞では書肆侃侃房(福岡)の文芸誌「たべるのがおそい」に掲載された、今村夏子「あひる」が選出された。地方出版社が発行する文芸誌から候補作が選ばれるのは異例。1999年、第121回候補作の玄月「おっぱい」が掲載された「樹林」(大阪文学学校・葦書房)以来17年ぶり。
7月19日、東京・築地の新喜楽で選考会を行い、同日発表する。候補作は次の通り。
【芥川賞】
今村夏子「あひる」(「たべるのがおそい」vol.1)
高橋弘希「短冊流し」(「新潮」1月号)
崔実「ジニのパズル」(「群像」6月号)
村田沙耶香「コンビニ人間」(「文學界」6月号)
山崎ナオコーラ「美しい距離」(同3月号)
【直木賞】
伊東潤『天下人の茶』(文藝春秋)
荻原浩『海の見える理髪店』(集英社)
門井慶喜『家康、江戸を建てる』(祥伝社)
原田マハ『暗幕のゲルニカ』(新潮社)
湊かなえ『ポイズンドーター・ホーリーマザー』(光文社)
米澤穂信『真実の10メートル手前』(東京創元社)