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猫背の王子
【集英社文庫】
中山可穂
本体419円
2000/11
ISBN-408747268X
石井 千湖
評価:C
なんというかとっても「お耽美」。私のようなガサツな感性しか持たぬ者にはちょっと気恥ずかしい世界であった。女が女たらしでも構わないし面白い。レズビアンが気持ち悪いのではなく「冬ざれの薔薇の花の上に宿る朝露」とか「ただれた夏のような味」とかいう素敵な比喩にひいてしまうのだ。が、自己陶酔もここまでやればいっそ天晴れ。清々しさすら感じる。絵画の趣味はいいけど服のセンスがなあ。なんて些末なところにブツブツ文句をたれながらも読み終わったあとの本には付箋が沢山ついている。反発しながらも惹かれるのは、あとがきの「ゲイはファッションではありません」という言葉と表紙の写真の魅惑的な肋骨があったからかも。
内山 沙貴
評価:C
明るい闇夜に響く、背徳でポジティヴな旋律。人はいつだって目標に向かって突っ走ることはできない。そんなに単純じゃない。人の気持ちだってカオスなのだ。でも他人からは、その複雑さはわからなかったりする。主観は対象を歪ませる。やわらかなヴェールを透かして対象をみる。演劇は、一度はまると溺れてしまう。ドボドボと沈んでいく。自分の演技に鳥肌立てて、書いた脚本に陶酔して、演出しながら痺れちゃって、その場でもう、死んでもいいって本気で思う。この主人公もそうなのだろうなぁと思う。ヴェールをはずした舞台のライトの中で、自分の本質と出会い理解して、フタをして決別する。この主人公は破綻直前なのになぜか前向きな匂いがする。ちょっとイイ感じだった。
大場 義行
評価:A
主人公の王寺ミチルは潔く、どこかはかなくて、危険だ。この物語はその女の子にヒビが入り、パリンと美しい音を立てて、割れる。そんな物語だ。しかし破滅に向かっていくワケではない。劇団に対する熱い情念。女に対する淡い情念。自分に対する冷たい情念。とにかくそれら全てが力強い。何処にむかうにもとんでもなく力強いベクトルを持つ、この主人公は余りにも魅力的に見えた。他の登場人物にも惹かれる。初主演を演じるために必死に生きる女。裏切りと葛藤する男。捨てたはずのものに涙する女。魅力的な登場人物、女と女、女と男、夢と幻想、破滅と再生、なにもかもごちゃごちゃとなって不思議と光る物語だ。ストーリーが無いといわれればそれまでだが、それでも様々な魅力が活きていて、読ませてくれた。
操上 恭子
評価:B‐
「いつまでもダラダラと快感の続く女同士のセックスを、私も是非一度やってみたい」露骨な性描写が多い中山可穂の小説を読むといつもそう思う。だが、この処女作『猫背の王子』の主人公ミチルは(古い表現だが)あまりにもトンガっている。トンガリ過ぎて周りがついていけなくなるという設定だが、読者としてもついていきにくい。トンガって、トンガって、トンガって今にもポキリと折れそうだ。悪魔に魂を売った人間とは、こういう人のことなのだろう。こんな風に何かに夢中になることができるなんて、それはそれで羨ましい。それにしても、ミチルは歳をとったらどうなるのだろうか。それとも……。続編が気になる作品ではある。
小久保 哲也
評価:A
自分がこの作品をどう受け止めたのか、よく分からない。面白かったかと言われれば、もちろん面白かったのだけれど不満な気持ちが残る。なにが不満なのか、ずっと考えてみたのだけど、まだそれがよく掴めない。もしかしたら、作品が短すぎるのかもしれない。もっともっと長く、この作品の世界に浸っていたかったような気もする。あるいは、ラストが物足りなかったせいなのかもしれない。そういう、何か切ないような、物足りなさが残る作品。
佐久間 素子
評価:E
エキセントリックなヒロイン・ミチルに、最後まで感動も感情移入もできなかった。かといって、嫌悪感や恥ずかしさを覚えたわけでもない。破滅型青春小説だと いうのに、あくまでニュートラルな読後感。我ながら嫌味な読み方だ。ミチルの感情の起伏はたしかに激しいが、その揺れは刹那的で、全体としてはむしろ無感動な印象だ。基本ベースは不幸寄り、すべてに我慢しているような姿勢はストイックですらある。ミチルは感情をコントロールできないのではなく、しないのだ。その賢さが私の読み方を冷静にさせる。多用される耽美っぽい比喩も大仰で、その都度、気がそれるため逆効果だ。
山田 岳
評価:A
中山可穂はそうとうな読者たらしや。物語のあたまにいきなりセックスというエサをぶらさげてはる。「レズビアン小説」といっても、やってはることは男のゼンギとおなじやん、と読者を安心させる。考えてはることもまるで男やん、と油断させる。その瞬間、刃物をふりまわして、おんなそのものの姿を見せつけ、読者を混乱のなかにたたきこむ。読者は既に中山ワールドにからめとられて、もう抜け出せへん。才能を天から授かりながら開花させられずにいる女主人公の苦しみは、著者自身のものとちゃうやろか。
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