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└2001年5月
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
肩ごしの恋人
【マガジンハウス】
唯川恵
本体 1,400円
2001/9
ISBN-4838712987
石井 英和
評価:B
描かれた女性二人の業の深さに息苦しくなった。いや、「一流の自立した女」たらんとする主人公の友人に、「女の武器」ですべて一流のものを掴まねば気が済まない女を配し、さらにその他の登場人物も、一流の不倫相手やら一流のホモやらにしてしまう著者の感性に、と言うべきか?もっと人生は立派なものであるべきだと、さらに立派なひとかけらを求めて足掻く彼女等。けど、そんなものは実は存在しないから、彼女等は、ついに無限地獄から抜け出せずじまい。そして、折りにふれ吐露される「自分以外の存在」への嫌悪の情。飽くなき自己愛の前では、恋愛さえも「手だて」でしかなく、フェミニズムの理念も顔色を失う。ある意味、痛快。ある意味、辟易。それにしても、「新しい生命の誕生」とか「外国へ行く」なんて、あまりにも安易な物語の収拾のつけ方だ。
今井 義男
評価:AAA
結婚に及び腰の萌と、結婚を何度でも繰り返するり子。二人は幼稚園以来の腐れ縁だ。るり子には生まれついての武器が二つある。類稀な美貌とすさまじく自分本位な性格である。おそらく同性異性を問わずほとんどの読者が反感をもつであろうこの女性を、私は諸手を上げて支持したい。るり子の人生観には協調も媚びへつらいもない代わりに、絶大なる自負がある。その強力無比なバリアーにひびが入り始めたときの彼女の踏ん張りがまた見ものである。萌は女が惚れる女だそうだが、るり子だってなかなかのものだ。並外れた自我に隠されたひとすくいの無我を、当然のように発揮するラストにはグッときた。女と女の友情にはこんな形もあったのだなあ。際立った存在感で脇を固めるゲイの二人も忘れ難い。男を書いても女を書いても唯川恵はたいへんに上手い。次回作ではそろそろ宮沢章夫を喜ばせるような《犬》を書いてみてはどうだろう。
唐木 幸子
評価:A
「私を好きにならない男がこの世にいるなんて、どうしても信じられない」とるり子は言う。美貌の女性とは言え、大変な自信だ。しかし三度の結婚をしながら最終的にるり子が遂に、好きになった男はなんと・・・。このるり子の面白さに比べると、もう一人の主人公・萌のキャラクターは真面目すぎて、女としての羨ましさに欠ける。でも、萌の慎重さ、妥協のない冷静さは好ましいなあ。こういう対照的な二人の女性と、その周りを取り巻く個性ある男たち。既にあちこちで書き尽くされた感のある人間模様だが、著者は、本音の溢れる会話を交わさせて登場人物を深く描き上げ、意外なストーリー展開で新しい小説に仕上げている。私は、少年レベルの若い男を可愛いと思う心境には未だ達していないので、二人と一緒に暮らし始める少年・崇の登場は少々、うざったい。しかし、その他の男たちはサラっとしていて、特にオカマの文ちゃんなんか公平で頼り甲斐があって良いぞ。先々月の新刊本の『ため息の時間』も良かったし、この著者、私の最新の贔屓作家として登録だ。
阪本 直子
評価:B
うーん、これは乗れなさそう。
最初の何十頁か、そう思いながら読んでました。あっけらかんと女を武器にして、それだけで人生渡っていけるつもりのるみ子。男もセックスも好きだけど、男もセックスも信用してない萌。「きっとあなたの中にいる、ふたりの女」って帯にあるけど、少なくとも私の中にはいないぞ、このどちらも。金持ち父さん貧乏父さんじゃあるまいし、人を簡単に分類するなよー。この手の「対照的な女友達」モノって、どうもなあ……と思いつつ中盤まできたところで。あれれ。 この二人、本当に友達でした。幼稚園から二十何年つき合った友達同士、お互いライフスタイルはさっぱり理解できないけど、お互いの気性は全部のみこんでる。夫や恋人とはいつか別れても、この二人は結局今日も一緒。これって、結構いい関係ですよ。うん。帯の文句「恋愛小説」を訂正。「愛情小説」です。恋愛も友達も何もかも含めてね。
谷家 幸子
評価:B
恋愛小説と呼ばれるものが苦手だ。それは、恋愛が苦手だからかもしれない。普段、考えないように意識的に遠ざけている、心の中の屈折と否応なく向き合わされるからかもしれない。
だから、唯川恵は一度も手に取ったことがなかった。手に取るつもりもなかったのだが、紙版「本の雑誌」11月号で北上次郎氏が絶賛しているのを見て、読む気になった。
結論から言うと、とても面白かった。読んでいる間は、苦手意識もあまり気にならなかったし。
だけど、正直言って北上氏の絶賛にはちょっと首をかしげる。「平易な話でありながらオリジナルなのだ。だから、ぞくぞくしてくる。」というが、これ、オリジナルなのかねえ?まあ、北上氏の百分の一も本を読んじゃいない私が言うことではないんだけど、全てにものすごく既視感があるんだけどなあ。ただ、既視感があったって本当は全然かまわないわけで、どう物語ってくれるかが読みどころなわけだけど。で、私としてはその「物語り方」は結構楽しめたけど、「既視感」には最後まで若干の違和感が残ってしまった。でも、この感じ方の違いは、男と女の違いかもしれないし、既婚者と未婚者の違いかもしれない。よくわからないけど。
ちなみに、最後に萌のした決断は、理解は出来るけど全く共感できない。
中川 大一
評価:B
「エルメスの黒のバーキン」って何? カバンかアクセサリーかな? ある種の女性にとって、欲しくてたまらないものらしいね。二人出てくる本書の女性主人公のうち、るり子の方がその種の女性なんだ。ある女がそのバーキンを持ってるっていうんでムカついて、彼女のボーイフレンドを強奪して結婚。それでも別にバーキンは手に入らなかったので(そりゃそうだ)、虚しくなってすぐ離婚。本書の魅力はるり子の造型につきる。自己肯定的な快楽主義者。モノとセックスと世間体へのあくなき欲望。フツー、こんな女は単なる敵役だが、ここまで突き抜けるといっそ爽快。むしろチマチマした自分がいやになる(失笑)。買い物で憂さを晴らしたいのにお金のない人は、本書を読んで、物欲の発散をるり子に託しましょう。
仲田 卓央
評価:A
この世知辛い世の中、普通に生きていくことはとても大変なことです。少しでも才能がある人や、自分の足できちんと立とうとしている人にとっては、日々生きていることは、ただそれだけで物凄く辛いことでしょう。そのうえ、人は簡単には変われない。誰の周りにもこの小説に登場するような魅力的な人はいるけれども、それ以上に困った人たちがたくさんいます。現実と物語は絶対に違う。物語のエンドマークのあとには現実のつらい時間が延々と続いていくことは当たり前のことで、軽やかに、さわやかに生きていく、なんて口に出すことも出来ないほどに、現実の生活は重い。でもだからこそ、こういう小説が必要なのだと思います。それは小説や物語が現実のつらさを一瞬でも忘れさせてくれるという理由ではなく、本当に大切なことはなかなか見えづらい、という理由で。
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