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>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
パートタイム・パートナー
【光文社】
平安寿子
本体 1,700円
2001/10
ISBN-4334923437
石井 英和
評価:C
有料でデ−ト気分を味合わせてやる「デ−ト屋」の物語との事で、「ああ、そう言う設定で、様々な人生をスケッチ風に描こうって訳ね」と、ペ−ジを開く前から、もう読み終えた気分になっていた。実際、そのような物語であったのだが、読みはじめてみると「これはこれで良いのではないか」と評価は変わっていた。さらりと上澄みだけで流れ去ってくれればいいのにそうも行かない人生、そんなものに捕らわれて生きる事への淡い悲しみみたいなものが行間からジワッと染み出して来て、ちょっといい感じになってきたのだ。だが、終盤、11月、12月のエピソ−ドにガックリ。なんだか急にありきたりの重たい展開になり、結果、作品全体が凡庸なものになってしまった。立派な作品に仕上げたい、との著者の邪念(?)が、逆の結果を呼び込んでしまったかと思える。
今井 義男
評価:B
<癒し系喪黒福造>みたいなデート屋という商売の奥底には、どうも親離れできない息子、子離れできない母親の影がちらつく。二十八歳にもなって母親を《ママちゃん》と呼ぶ晶生にはそれなりのいい分もあるようなのだが、息子を溺愛し賞賛する母親に自覚はない。私が大の苦手とするタイプの親子である。でも、それがこの青年を心優しき好人物にした一因でもあるので無闇に否定もできない。優しさと軟弱、他人を受け入れることと、おもねることの違いを晶生は賢明にも知っている。だから読んでいて厭味がない。特にひどい目に会ってもめげないところ、相手のよい面だけを見ようとするところが清清しい。石田衣良の『娼年』と同種の清廉で穏やかな色調漂う作品だ。
唐木 幸子
評価:C
安部譲二が書いていたが、ヤクザの新米はテレビを見ながら、イチャモンをつける練習をするのだそうだ。テレビの前に坐って、コマーシャルでもドラマでも、どうという落ち度のないものにいちいち難癖を付けて、どうしてくれるとスゴむ練習を一人でぶつぶつやるのだという。本著の主人公の晶生はその反対だ。どんな女の愚痴にも怒りにも付き合い、慰め、誉めそやす。この調子の良いことと言ったらないのだ。デート屋とかパートタイムパートナーなんて言ったって、要は太鼓持ちじゃんか。私の目の前にこんな男が現れたら、その口を縫い付けてやるわ、と腹が立つが、読み進むうちにそれは納まってくる。こうしてくれるわ、と私が思うより、もっともっと危ない、ひどい目に晶生はどんどん巻き込まれていくからだ。そういう意味では話の展開は巧みである。でもこの小説、男にも女にもあんまりウケないと思うのだが、著者はどういう読者を想定して何が書きたかったんだろう、私にはわからない。
阪本 直子
評価:A
何しろまず文章のイキがいいです。それは即ち主人公・晶生のイキのよさ。目も口も鼻も大造りで端整には程遠いが、かなりの得点を稼ぐビッグスマイル―「デート屋」の彼のルックスがこうだってところがまずいい。営業内容にセックスは皆無。これがまたよろしい。基礎化粧品のCMで、女の子の気持ちがささくれてる時に落ち着かせてくれる男が出てくるのがあるでしょう。晶生がやってるのはまさにそれ。しかも、どんな相手も本気で褒める。暴力をふるわれた相手でさえも。というと何か、包容力ある天使と傷ついた女達の物語、かと思われるかもしれませんが、晶生はそんな余裕ある男ではありません。弱虫のダメ男、だけど大人になるとは一人で崖っぷちを歩くことだと判ってる。
弱い奴。嫌な奴。欠点だらけの奴。だけど、その存在が、今ここに生きているということがいとおしい。丸ごと全部、肯定してみせる。やっぱり小説は、こうでなくっちゃ。
谷家 幸子
評価:B
最近、私はついてなかった。そして疲れてた。新しい部署に異動したてで慣れない仕事、煩雑な人間関係、毎夜の残業。駅の階段から落っこちるわ、ひどい頭痛に悩まされるわ(そのためビールもおいしくない)、ぱっとしない日々。
そういう真っ只中で読んだ。いやもう、なんていうか沁みるのなんの。帯の「誰にも言えないけど、誰かに分かってもらいたい」なんて、日頃ははっきり言ってばかにしてる言説だ。馬鹿女の「本当の私を知って欲しい」みたいな物言い。反吐が出るぜ、なんて思ってたのに。でもこれは、そんなありきたりな「癒し系」の構図に収まるお話ではない。「デート屋」晶生の、女の子との会話に漂う意外に過剰な説教臭を除けば、作者の視線はやさしくてあたたかくて、だけどクール且つシャープで甘ったるくなくて、非常に心地よい。この人信用できる、と思った。読みやすく明快な文体も好み。次の作品がとても楽しみだ。
中川 大一
評価:C
アメリカの社会学者、A.R.ホックシールドがこんなことを言っている。現代は肉体労働でも頭脳労働でもなく、感情労働の時代だと。乗客に微笑むスチュワーデス。債務者に怒ってみせる借金取り立て人。みんな過去の感情を掘り起こし、その場で再生することで商売してるのだ。それが正しいとすれば、本書の主人公のような「デート屋」が成り立つのも宜なるかな。寂しい女たちの心を、仮の恋人が一時なぐさめましょう。ただし、肉体的な接触はなしよ。というわけで、恋愛からどろどろした部分を取り除いたさわやか系のお話し。しかし、やっぱり無理があるぜ。売春夫やホストとデート屋はどこが違うのか。セックスのないデートなんて、いまどきねえ? でも、深く考えずに軽く楽しむこともできる本だとは思うけど。
仲田 卓央
評価:AA
この主人公はアホかい? 28歳にしてはやたらと考えが浅い。全ての出来事を極めて自分に都合よく解釈する身勝手、口が巧いことと、口数が多いことの違いすらわからずに次から次へと出てくるセリフの趣味は最悪だ。そんな男を主人公に据えて、この小説はいったい何をしようとしているのだ! と怒ってみて、はたと気が付いた。この主人公はまさにアホ、この小説は「アホ男小説」なのだ。アホも行くところまで行ってしまえば、立派な芸。この男はその「アホ道」を突き詰めている真っ最中なのだ。だから、死ぬほど前向き。脳内大革命状態である。もうラストの一行なんか、笑うぞ。
こんなに文句を言いつつも、今月一番楽しんだのはこの一冊かもしれないのでした。やたらと前向きなバカって、やっぱり世の中を明るくするよな。
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