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WEB本の雑誌
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今月の新刊採点
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【単行本班】2006年12月の課題図書
コレラの時代の愛
ガブリエル・ガルシア=マルケス(著)
【新潮社】
定価3150円(税込)
2006年10月
ISBN-4105090143
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
小松 むつみ
評価:★★★★
50数年にわたる愛のお話。長年にわたって思いを抱き続け、貫いた男。しかし、ガルシア=マルケスにとっては、それはコロンビアの一時代を生き抜いた多種多様の人々を描くための、巧妙な道具立てのひとつなのではないだろうか。
確かに、青年のころに芽生えた愛を、執拗ともいえるほどに貫き通した男の人生は、ひとつの物語として余りある筋立てであろう。だが、『コレラ愛の時代』は、主人公、その恋人、その夫の、そしてさらに、彼らの人生にかかわりを持った多くの人たちの織り成す、壮大な物語なのである。
社会の底辺から、いわゆる上流社会まで、あらゆる階層、職業の人々の暮らしぶりが、この町に生きる、すべての人生が、まるでこの一冊につまっているかのようだ。
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神田 宏
評価:★★★★★
これほど美しい物語があろうか。ありきたりな物言いを許されるなら、この物語の前には言葉を失う。凡百の美辞麗句は必要ない。ただひたすら感じていたい。そう思わせる作品だ。マルケスの他の作品に違わず、ストーリーは一見、荒唐無稽で、時間だけがただ連綿と流れてゆく。
若かりし頃の愛の告白を、一度は受け入れられたそれを、再び、彼女の夫が亡くなった51年後の葬儀の日に口にするフレンティーノ・アリーサ。老齢になり過去の不実を悔やみながらも、その愛の誠実さに心打たれる、未亡人フェルミーナ・ダーサ。二人の半世紀にわたる物語。言葉にすると凡庸なそれは、ページをめくるうちに、壮大な、そして悠久の世界へと読者を誘う。そして不思議な物語空間は、読む人と作者の手を離れ、まるで作中の「父なるマグダレーナ川」に二人を乗せて走る蒸気船の様に幻惑の彼方へ走り去る。その物語が立ち上がる瞬間、頬をつたう至福の涙を感じて、「まだマルケスがいる!」そのことだけでも世界に感謝と喜びを感じる私がいた。
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福井 雅子
評価:★★★★★
かつての恋人を51年9ヶ月もの長きに渡って愛し続け、彼女が未亡人になるや再び愛を告げる男の話を軸に、コレラが流行する時代の社会や人々の暮らし、そこで繰り広げられる様々な愛を描いた壮大な長編。
蒸気船が走りコレラ患者の死体が川に浮いている時代の社会を、馬車が車に変わり、郵便事情が良くなり、電話が登場するような変化を含めて詳細に書き込み、そこにたくさんの登場人物が生き生きと生活しているさまを描くことでとても厚みのある物語になっている。そのため、主人公の人生をなぞっていくような長大な話でありながら少しも退屈でなく、51年9ヶ月も待つ男というおとぎ話のようなストーリーが現実味のあるものになっている。
待ち続ける男の愛、それと対比するように描かれるかつての恋人とその夫との夫婦の愛──ときめきは消え、つまらない諍いも多々あるけれど、そこには静かな愛がある──、そして老人になった主人公とかつての恋人との間に育まれる「新たな愛」。質の違うものではあるが、どれも「真実の愛」である。ひたむきに想い続ける愛を描いた話のように見えて実は、一途で情熱的な愛だけが「真実の愛」ではないよ、と言っているようにも思えた。「この世界で愛ほど難しいものはない」はい、本当に。炎のような恋愛小説というよりは、愛の奥深さについて考えさせられる名作だと思う。
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磯部 智子
評価:★★★★★
小説を読む喜びが溢れ出す。言葉の一つ一つが笑いと豊かさに満ち、感情の複雑さを余すことなく伝える。先を知りたくなる物語の面白さと、読んではすぐ読み返したくなる葛藤の中ゆっくりと読み進む。登場人物達は確かな質感と重量感をもち、原色が原色のままで反響し合う鮮やかさに目を見張り、彼らの情熱的でむせ返るような香りを深く吸い込む。話は至ってシンプル、76歳の男が夫を亡くしたばかりの72歳の女に愛を告げる……半世紀待ち続けたその長い年月が最初から描かれる。男は過剰なまでに様々な女たちと関係を持ちながらも、心では女を思い続け独身を通す。19世紀から20世紀初頭、内戦やコレラの流行を背景に、其々の歳月の描写が詳細を極める。女が男の愛を受け入れるようになるには、別の男との長い結婚生活、様々な試練を乗り越えてきた年月が必要であり、彼女が人間のありのままの姿や老いを受容出来て初めて、欠点の多い男しかも老いた男を愛することが出来る。二人が初めて嗅ぐお互いのすえた匂いは熟成だと思えるほど彼らに寄り添って読んだ。老いた二人が人生の終息に向うどころか解放された「愛」にひたすら感嘆する。
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林 あゆ美
評価:★★★★★
長編を読む楽しみ、それは深く書き込まれた細部を多く堪能できることだ。長年連れ添った夫婦に最大の危機がおとずれる描写は秀逸。バスルームに石鹸が置いてあったかなかったか、一見小さなことがふたりの破綻につながりそうになる。「大事件よりも、些細なことが原因で生じる日々の不快な思いを回避するほうがむずかしい」結婚生活の年月を重ねる上で回避する術に長けてはきても、それでもタイミングによってはその不快が爆発する。さてこの結末はどうつくか。
長い物語は、こういうささやかな描写が積み重なっていく。それは妻の物語だったり、夫婦で飼っていたオウムだったり、医師である夫がおかした不実であったりする。そして、それらの短いストーリーの下では、長い時間をかけて愛を成就しようという男の物語が流れている。
ラスト3行は壮大だ。ただただ呻ってしまう。
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WEB本の雑誌
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今月の新刊採点
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【単行本班】2006年12月の課題図書