居心地の悪い場所にいるとバカになる!?~『テレビは見てはいけない――脱・奴隷の生き方』

テレビは見てはいけない (PHP新書)
『テレビは見てはいけない (PHP新書)』
苫米地 英人
PHP研究所
735円(税込)
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 時間や仕事、人間関係に追われて、心を癒す間もなくストレスがたまり続ける現代人。その影響が精神面や健康面にまで出て、特にうつ病なんかは現代病の一つとも言われています。ですが、ストレスによって及ぼされる弊害はそれだけに留まらないというから大変です。なんとストレスによってIQが下がる......つまりバカになってしまうというのです。
 
 人は周囲とうまくいかないような居心地の悪い場所にいると、常に緊張状態になり、必要以上に自己防衛的になったり、攻撃的になったりして、客観的に物事を捉えられなくなってどんどんバカになっていくんだとか。しかもその時の人間の感情って「動物」の情動と同じなんだそうです。

 実際にアメリカで、差別を撤廃しようと白人の学校へ黒人を通わせた際、白人も黒人もIQに差はないはずなのに、アウェーな環境に置かれた黒人はストレスによって成績が落ち込み、「黒人は頭が悪い」などとさらに余計な差別を生んだそうなのです。

 このように周囲の環境などによって脳にどのような影響があるか、知らぬ間に自分の心が書き換えられていく原理を説明してくれる本書。特にテレビから受ける脳と心への影響は大きく、著者の苫米地英人さんはテレビを「最強の洗脳装置」と呼んでいます。

 ちなみに苫米地さんは今話題の脳機能学者。少し前に木村拓哉さんがドラマで演じた役どころと同じ。「ドラマで脳科学が一気に大衆化した」と苫米地さん。でも、ただでさえ難しそうな学問なのに、キムタクが演じたことで「脳機能学者って知的なイケメン」と思った人も少なからずいるはず。「テレビの洗脳」って怖いなとつくづく感じたのは実は苫米地さん自身だったりして!?

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