サッカー監督から学ぶ部下の操縦術~『モウリーニョの流儀』
- 『モウリーニョの流儀』
- 片野道郎
- 河出書房新社
- 1,680円(税込)
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サッカー好きで、かつ人の上に立つポジションの人だったら、読まない理由がない本がこれ。
ジョゼ・モウリーニョは、欧州サッカーの強豪クラブで様々なタイトルを獲得してきた名将。的確なマネジメントと強烈なリーダーシップを兼ねそろえた彼からは、「プロの仕事」や「リーダーのあり方」について学ぶことができます。
モウリーニョの特徴といえば選手に求める"規律"。破れば例外なくレギュラーから外されます。ただ、その規律は厳しいものではなく、非常に整備されていて、きわめて明確に説明されるそうです。何よりも要求される行動はモウリーニョでも守れるものばかり。例えば「練習開始の1時間半前にグランドに到着する私が、選手の遅刻を受け入れるわけにはいかない」というシンプルな要求。また、外されたとしても必ずセカンドチャンスを与えるのが彼のスタイル。だから選手は「次のチャンスでは必ず活躍してやる!」と練習に身が入り、上手くなるそうです。
選手に厳しく接する反面、選手を大事にすることでも知られています。プレミアリーグのチェルシーで指揮を執っていた2006-2007シーズンの優勝を逃したアーセナル戦では、試合終了と同時にサポーター席の前に駆け寄って選手たちを何度も指さし、賞賛の拍手をうながしました。また、サポーターを大切にする一面もあり、2005-2006シーズンの優勝メダルを受け取ってすぐにサポーター席に投げ込んで、ファンを大喜びさせています。
そんなジョゼ・モウリーニョの魅力を、イタリア在住14年のジャーナリストが本書で明らかに。もちろん、モウリーニョの常勝メソッドを徹底分析しているので、サッカー好きが純粋に楽しめる内容になっています。