若者の離職の原因は何だと思いますか?~『しがみつかない生き方』

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)
『しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)』
香山 リカ
幻冬舎
777円(税込)
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 「あなたがもしこの会社に入社したら、どのような点で貢献できると思いますか」。このような質問、就職活動の面接で受けたことありませんか。就職読本などで面接官が聞くおなじみの質問としてもよく取り上げられ、学生たちは必死になって自己分析し、自分の良いところ、アピールポイントを探しだし面接に臨みます。

 しかし、せっかく希望する会社に入ったものの、若者の離職率の高さが社会問題に。厚生労働省などの調べでは、卒業後3年以内に離職した新人の割合は中卒で7割、高卒5割、大卒で3割と「七五三現象」と呼ばれています。その原因、実は入社試験で行われている、冒頭のような面接にあるようなのです。

 「面接が自慢大会になっている」と指摘するのは精神科医の香山リカさん。学生も面接官も、就職活動は「私、ミスキャンパスです」「私、留学してました」などと「自慢=アピール」だと思っているそう。こうして熾烈な自慢合戦をくぐり抜け、自分のハードルを上げ過ぎたがために成績が伸ばせなかったり、面接時との自分とのギャップを感じたりして疲れ切ってしまう若者が多いのではと分析しています。

 本書ではそんな自慢競争をやめ、お金、恋愛にしがみつかず、そしてあの「勝間和代」さんを目指さないことで「ふつうの幸せ」を手に入れられるのだと提案しています。

 女性の化粧と同じですね。ごってり化粧して、24時間365日そのままでいれば、肌はどんどん疲れてボロボロになってしまいます。そんなアピールよりその奥で何を考えているか、学んできたか、持っているのかが大事なんですよね。結局は「外見より中身」ということ。それでもやっぱり外見を気にしてしまうのが、人間の性なんでしょうけど。

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