「私は頭が悪いんです」と言われたら~『他人に軽く扱われない技法』

他人に軽く扱われない技法
『他人に軽く扱われない技法』
内藤 誼人
大和書房
1,365円(税込)
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 「お客さんにナメられて、とんでもない値下げの条件ばかり飲まされる...」「同僚のなかで自分だけが上司に怒鳴られる...」「いつまで経っても新人扱いで、大切な仕事をまかせてもらえない...」
 
 このような悩みを抱えている人はいませんか? 心理学者の内藤誼人さんによれば、そんな人は残念ながら他人から軽んじられているそうです。人に軽んじられるのは決して気分のいいものではありません。そのような扱いを受けないためには、いかに自分が重要で、価値があり、実力のある人間なのかを誇大にアピールすることが必要だと内藤さんは言っています。そして、それは"技術"として習得できるのだとか。

 たとえば、「私は頭が悪いんです」と先手を打つことで知的にみせる方法があります。イリノイ大学の博士によると、聞き手は話の裏側を読み取ろうとする傾向があるそうで、「私は愚かな人間です」と聞いても、そのまま言葉通り受け取らず「賢明だからこそ、自分を悪く言っているのではないか」と勝手に推測してくれるのだそう。

 テレビ討論番組でお馴染の田原総一朗さんは、自分で自分のことを頭が悪いと素直に告白します。「あなたは彼に会ったことがあるのですか?」と質問した時、「ええ、面識はあります」といった返事をされると、田原氏は「面識なんて言われても、僕は頭が悪いからよくわからないんだけど、2人きりで会ったかどうかを聞きたいんですよ」と切り返しています。こういったやりとりは、実に頭が良さそうです。
 
 もし、誰かから「君は理解が遅い」と指摘された時は「そうなんです、理解力が足りないんですよ。ですから、もう少し詳しく説明してください」と切り返すのがベストかも。自分の能力のいたらない点を認めてしまえば、相手はそれ以上、責めるわけにはいかなくなるのですから。

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