金魚を太らせる方法~『快眠で「やせる体質」』

快眠で「やせる体質」 (朝日新書)
『快眠で「やせる体質」 (朝日新書)』
坂根 直樹,小路 浩子
朝日新聞出版
735円(税込)
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 奈良県の大和郡郡山市は金魚の養殖で有名。最近では、後継者不足で地方の金魚の養殖業者が減っているために、「全国金魚すくい大会」といったイベントも開催されているようです。

 金魚すくいで使う金魚は、小さくないといけません。さらに水を汚さないように最低限の餌しか与えないそうです。一方、鑑賞用の金魚は大きくて丸々としています。どうやったらあんなに立派になるのでしょうか。

 実は、金魚を太らせるために「眠らせない」という方法があるのだそうです。夜でも水槽を明るく照らし、金魚にまだ昼間だと思わせて餌を与えるのです。金魚はせまい水槽で運動不足になり、ストレスがたまって太るのです。まるで人間と同じ。

 人間も夜遅くまで起きていると、ついつい食べ過ぎてしまいます。夜間、消化しきれない食べ物は脂肪となって体内に蓄積されます。最近の研究では、同じ肥満者でも夕食の摂取量が多い、あるいは、夕食の摂取時間が遅いほど、内臓脂肪がつきやすいことがわかっています。

 また、睡眠不足になると肥満になるメカニズムもわかってきました。睡眠時間が短いと「レプチン」という食欲を抑えるホルモンが減少し、「グレリン」という食欲を促進するホルモンが増加するのです。特に炭水化物やお菓子、スナックやナッツなど塩辛いものが食べたくなるそうです。

 金魚は市場で高い値段がつきますが、人間の場合は医療費のかかる生活習慣病へとつながります。

 実はつながりの深い睡眠と肥満の関係が、この金魚の例ですごくリアルに感じられます。もう徹夜で仕事するのは、やめませんか?

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