子どもが先生に叱られたら?~『子どもは「話し方」で9割変わる 』

子どもは「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス アステ新書)
『子どもは「話し方」で9割変わる (リュウ・ブックス アステ新書)』
福田 健
経済界
840円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン

 発明家のトーマス・エジソンには、こんなエピソードが残っている。

 エジソンは子どもの頃から人一倍好奇心が旺盛で、大人をつかまえては「空はなぜ青いの?」「風はどこから吹いてくるの?」と次々と質問して、困らせていたそうだ。学校に入ってからもその好奇心は消えることはなかったが、成績が悪かったため、何度も先生に叱られる羽目に。

 さらには「お前の頭はくさっている」と言われ、退学を命じられてしまう。その時のエジソンの母親の対応がすばらしかった。母親は「あなたの考えは間違っています。この子は素晴らしい好奇心の持ち主です」と、エジソンをかばったのだ。

 技術者として歩み出したエジソンは、「母は私を信頼してくれた。その信頼に応えるためにも、自分が価値ある人間であることを社会に示そう」と考えたそうだ。"発明は99%の汗と1%の閃きにすぎない"という一言の源泉が、ここにあるといえる。

 そこで今日の日本。職場や地域だけでなく、家庭という狭い生活空間のなかでも、コミュニケーションをとるのが難しくなっている。「共働きの親が多く、子どもと接する時間が少ない」「夫は仕事に追われて、子どものことは妻に任せっきり」「技術の進歩で家事の手間が省けるぶん、子どもに細かいことまで口出しする」。

 様々な問題を抱えてはいるが、親として、大人として、自らのコミュニケーション能力を改善・向上させないと、次世代を担う子どもたちが「コミュニケーション未熟児」のまま社会に出てしまうことになる。

 話し方研究所会長の福田健氏によれば、子どもは「話し方」で9割が変わるそうだ。この問題に向き合わなければならない大人は、決して少なくないはず。

« 前の記事TOPバックナンバー次の記事 »