「天は二物を与えず」はウソ? ~『脳力開発マップのススメ』
- 『脳力開発マップのススメ―凄い才能を自分で創る (NHK出版生活人新書)』
- 林 成之
- 日本放送出版協会
- 735円(税込)
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『クイズ! ヘキサゴンⅡ』から生まれたいわゆる「おバカタレント」が人気を集める昨今のテレビ界。クイズ番組で珍回答を連発するタレントには「元スポーツ選手」という肩書きを持つ人も多く、「スポーツ選手=頭はチョット...」という図式もできあがりつつある。しかし、脳科学の第一人者・林成之教授は「優れたアスリートは頭もいい」と指摘する。
林教授によれば「脳科学的には運動能力と知的能力は一体」だそうで、運動能力は脚力や腕力よりも、むしろそれらを意のままに動かす脳の神経細胞の働きに帰するところが大きいそうだ。一流スポーツマンの見事なプレーは、鍛え上げられた身体機能と優れた脳の働きによる賜物ということになる。
そして驚くべきことに、「逆もまた真なり」。「優れたアスリート=頭がいい」なら「頭がいい=優れたアスリート」も成立するという。頭のいい人は「脳神経の働き=心の使い方や思考プロセス」が素地として備わっているため「頭のいい人で運動は苦手という人は、ほとんどいないはず」(林教授)
なんだか「天は二物を与えず」ということわざも虚しく響いてしまいそうだが、林教授は自分の思考プロセスを自分自身で育む習慣を身に付けることで、誰でも才能を伸ばすことができると断言する。
そういえば昔から「文武両道」という言葉もある。脳のしくみを理解さえすれば、みんな二物を得られる?