アニマル浜口の「気合いだー!!」は無意味?~『脳に悪い7つの習慣』

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)
『脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)』
林 成之
幻冬舎
777円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン

 「がんばります」

 そう言って「で、何をがんばるの?」なんて切り替えされた経験、ありませんか。そう言われるとつい「人の揚足を取るような言い方して...」なんて思ってしまいがちですが、どうやらこれ、すごく的を射ているようです。

 脳神経外科医で日本大学大学院教授の林成之さんは、北京五輪前に競泳日本代表チームに招かれ「勝つための脳」=「勝負脳」について講義した際、「がんばるという言葉は脳にとって意味不明な言葉」と話したそうです。そして「勝負脳」について教えたところ、「記録がどんどん伸びてきた」と監督の上野広治さんからお礼の電話がかかってきたとか。

 ではいったい、「がんばる」ことがどうして脳に意味不明なのでしょうか。

 林教授によれば、「がんばって練習します」「がんばって契約とってきます」とはただの根性論であり、「脳は何をどうすれば良いのか全くわかっていない状態」なんだとか。それに「がんばること」自体が目標になってしまい、目標を達成しなくても「がんばったから」と納得し、いつまで経っても目的を達成できないという悪循環に陥りかねないと指摘します。なので「がんばります」や「今日はよくがんばった」と頻繁に口にする人は要注意。

 脳にとってよい習慣は、「がんばる」のではなく、「目的」と「目標」をしっかり分けて考えること。例えば「この大会で優勝する」ということを「目的」に置いたら、ただやみくもに練習するのではなく、優勝するために必要なこと、克服すべき課題などを「目標」として整理します。また、時おり「ノーミスでがんばります」と言う人もいますがそれも禁句。逆に「ミスするかも知れない」という考えが生まれやすくなり、脳の思考力や記憶力などがダウンしてしまうそうです。
 
 ちなみに、応援で「がんばれ」や「気合だ」という言葉もNGワード。試合や仕事で結果を出すために必要なのは「自分がやってやるという」考えをもつこと。残念ながら「気合だ!」といくら叫んでも自己報酬神経群は刺激されず、結果を生むための「思考」や「心技体」にはつながらないと林教授は言い切ります。

 ぜひ、「気合いだー!!」のアニマル浜口さんとの対談を見てみたいものです。

« 前の記事TOPバックナンバー次の記事 »