王子ブームはおばさんの逆襲?~『選ばれる男たち―女たちの夢のゆくえ 』

選ばれる男たち―女たちの夢のゆくえ (講談社現代新書)
『選ばれる男たち―女たちの夢のゆくえ (講談社現代新書)』
信田 さよ子
講談社
756円(税込)
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 ヨン様から始まり、ハンカチ王子にハニカミ王子などなど世の女性たちは美形男子に夢中になっています。特に子育ても一段落し、時間に余裕ができた中高年女性たちの熱狂ぶりはすさまじく、彼らが行くとこ行くとこ現れては黄色い?声援を送り、時には「同じ空気を吸った」「目が合った」と涙を流して喜び、彼らのためにコツコツと家計をやり繰りしています。

 そんなおばさんたちの韓流ブームや王子ブーム。これ、実はただのブームではなく、「若い子がいい」などと女性を評価している身のほど知らずなおじさんたちに対しての、おばさんたちからの逆襲なのだそうです。

 おじさんの言う「若い子」といえば一般的には30歳以下の女性。30歳を越えた女性は「おばさん」と呼ばれることが多く、また「賞味期限切れ」などと言う言葉も耳にします。そんな風に男性に勝手に評価され続けた「おばさん」たちが「私たちだって、若くてカッコイイ人がいいのよ!」とヨン様を始めとした韓国人俳優や、さわやかスポーツ選手たちに夢中になっているのだと、人気カウンセラーの信田さよ子さんは分析します。

 これを聞いて「あぁ、そうですか」というお父さん方。笑い話ですまされる話しではないかもしれません。信田さん曰く、これらのおばさんたちの行動は「自分たちは賞味する主体であり、される客体などと考えていないおじさんたちを厳しく査定している」ということ。つまりおじさんたちがおばさんたちを評価しているように、おばさんたちだって、おじさんたちを評価しているのです。

 とはいえ、王子にも「ぽっちゃり王子」や「どんぶり王子」という体重200キロオーバーの関取もいます。「な~んだ、おばさんたちは見る目がないじゃん!」なんて安心しないほうがいいかも。「どんぶり王子」に関しては王子本人がそう言っているだけですから。ただし、「ぽっちゃり王子」に関しては定かではありません...。

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