「男のくせに」は男性にとって禁句~『なぜ男はそのひと言にムッとするのか 』
- 『なぜ男はそのひと言にムッとするのか』
- 樋口 裕一
- 幻冬舎
- 1,000円(税込)
- >> Amazon.co.jp
- >> 本やタウン
男からすると女性の言動は不思議なことばかり。男性には当然なことが女性には通じない。つまらないことで傷つき、肝心なことを無視し、どうでもよいことを気にかける。
だが、女性にしてみれば、男は単純で子どもに見えるらしい。女性だったら気遣うところを男性はまったく無神経。そのくせ不思議なところで男性は気を揉み、プライドを持ち、女性の言葉に怒りだし、ムッとした態度を取る。
そもそも、男女は根本的に違うのだ。このことを理解していないがために、多くの女性が不用意な言動で男性のプライドを踏みにじり、相手がムッとしていても、わからずにいることがある。
たとえば、このような覚えはないだろうか?
男というと、一般的に「メカ操作に強い」「乗り物好き」といったイメージがある。なかにはそうでもない男性もいるが、女性はついそうしたイメージで男性を見がちだ。そして、運転の下手な男性を見ると、「男なのに運転が下手ね」と軽口をたたきたくなる。しかし、この言葉がどれほど男性を傷つけることか。
もちろん男性にも運転が下手な人はいる。そして彼らもそれを自覚し、"男としてどうだろう"とひそかに恥じているものだ。そこに、「男なのに下手なんだ」と女性から言われると、恥ずかしく思っている部分を突かれたと感じる。女性でも「女のくせに」と言われたらムッとくるものだが、男性のそれは女性よりも傷つきやすい。必要以上に男としての自負を持ちたがるからだ。
我慢するときも「男ならここは我慢だ」、泣きそうなときも「男は泣くもんじゃない」、上司が部下を叱咤するときも「男としての意地を見せてみろ」と、何かと男としての自負を持ち出したがる。"男らしくない"ことは、男として恥ずべきことであり、言われたくないもの。そのために痩せ我慢もすれば、涙をこらえるし、意地になって仕事もする。
この場合、女性は「運転、苦手そうだね」と言う程度にするといい。それも軽蔑するように言うのではなく、軽い雰囲気で伝えよう。また、「あなたみたいに、頭を使うタイプの人には運転が苦手な人が多いみたい」なんて逃げ道を用意できれば上級者。まちがっても"男なのに"などといった言葉を加えてはならないのだ。